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ヤクルト逆転CS滑り込みへ、高校野球みたいな「チーム一丸」

webスポルティーバ 9/6(火) 14:50配信

 ヤクルトの真中満監督は、今年春の沖縄キャンプでこんなことを言っていた。

「選手たちには、どんな状況になっても優勝を目指す意志を持っていてほしい。『この戦力じゃ厳しい。今年は無理だ』と勝手に判断をすることはしないでほしい」

【写真】「拾ってもらったことに感謝しています」とヤクルトへの思いを語った坂口智隆

 セ・リーグ連覇を目指したヤクルトは開幕4連敗とつまずくと、そこから苦しい戦いの日々が続いた。チーム防御率は5点台が長く続き、抑えのオンドルセクが途中退団。主力の畠山和洋、川端慎吾、雄平がケガで戦線離脱。8月10日には山田哲人までが死球禍により登録抹消。昨年、チームを優勝に導いた主力が次々とラインアップから消える事態に陥(おちい)った。

 しかし、こんな非常事態のなかにあっても、ヤクルトの選手たちは誰ひとりとして「今年は無理だ」と決めつけることはしなかった。

 主力をごっそりと失いながらも、8月は15勝9敗と勝ち越し、9月1日には3位のDeNAに1ゲーム差と迫るなど、クライマックスシリーズ(CS)進出も見えてきた。

 坂口智隆は「主力が多く欠けたことでチームの雰囲気が暗くなることもなかったし、逆にゲームに出られる選手が増えたことで、いい雰囲気で試合に臨むことができました」と話してくれた。

 坂口は今シーズン、オリックスから移籍。長く続いた不振から抜け出し、ここまで(9月5日現在)チーム最多出場を果たしている。坂口が続ける。

「僕も含めて『ポジションをなんとか奪ってやろう』という選手ばかりでしたからね。抜けてしまった主力と同じことはできないけど、逆に泥臭さというかね……。きれいな形でなくても1点を取り、相手より失点を少なくして守り切る。必死にやってきた結果、チームがなんとか粘れることができたと思います」

 飯原誉士は“8月の巻き返し”について、三木肇ヘッド兼内野守備・走塁コーチの言葉が大きかったという。

「山田が登録抹消された日の試合でした(ナゴヤドームでの中日戦)。三木コーチが『いい準備をして、しっかりプレーすれば、このメンバーでも勝つことはできる』と。そこから3カード連続で勝ち越せた。主力が欠けてもなんとか踏ん張れているし、『今のメンバーでも勝てる』という手応えもつかめた。チームがより一丸となって戦っている感じがしますね」

 三木コーチは、そのときの発言について、次のように説明してくれた。

「たしかに、主力といわれる畠山、川端、雄平が抜け、山田まで抜けてしまった。でも、野球って選手が揃っていれば勝てるのかというと、そうではないんですよね。しっかりした準備、しっかりした野球をすれば、勝てるチャンスはたくさん転がっていると思うんです。選手たちは、そのチャンスがあることに気づくことができるし、それを生かすこともできるはずなんです。『主力がいないと弱いよなぁ』と言われるのは嫌じゃないですか。今いる選手たちで競争しながら助け合っていこうと。選手間の競争はチームを強くするひとつの要素でもありますし、選手たちはそこを理解してくれていますよね。ひとりでもそうした意識が欠けるとチームってまとまらないですから。それこそ“チーム一丸”と言えばいいんですかね」

 エースの小川泰弘もチームが一丸となったことで、「8月を乗り切ることができた」と話す。

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最終更新:9/6(火) 15:57

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