ここから本文です

『リトル・ボーイ 小さなボクと戦争』の魅力は、ペッパーの可愛さ! [with]

講談社 JOSEISHI.NET 9/6(火) 20:00配信

『リトル・ボーイ 小さなボクと戦争』は、第二次世界大戦中のアメリカ、カリフォルニアの田舎町を舞台に、戦争に行った父親を待つ小さな男の子、ペッパーの物語。

「“神を信じる気持ち”が伝われば、願いは叶うかもしれない」と神父に言われ「“神を信じる気持ち”を証明するリスト」を手渡され、次々と実行していきます。ちなみにこれは古くからキリスト教に伝わるもので、「飢えた人に食べ物を」とか「病人を見舞え」とか、そういうことが書かれているのですが、神父はここにもう1項目書き足します。それは「ハシモトに親切を」。ハシモトはこの町に住むたったひとりの日系人で、人生の大半をアメリカで過ごしている人なのに、住民たちから目の敵にされ嫌がらせを受けています。ペッパーも当初は「ジャップめ!」なんて言っていたんですが、嫌々ながら接するうち、いじめっ子から助けてもらったりして仲良くなってゆきます。

映画の魅力は何しろペッパーの可愛さです。ほんとうにおチビちゃんで、眉毛がちょっと下がった“ショボーン顔”、ぷくぷくした頬っぺたや頭に乗せた大きめのキャスケット、周りにバカにされても一生懸命な性格、何から何まで可愛いくて、ペッパーの思いが通じますように!と思いながら見ているのですが、それが叶った瞬間――町の人が「ペッパーはすごい!」と評価を一変させる瞬間は、実は日本人にとってはすごく複雑な思いに駆られる場面でもあります。この映画に描かれる、戦争の勝利を喜ぶことの無知と無邪気さは、日本人が最も強く実感できるのではないかなーと思います。この映画がいい映画だなと思うのは、そうした思いもちゃんと回収してくれるところです。

映像のノスタルジックさも魅力的です。監督は20世紀初頭のイラストレーター、ノーマン・ロックウェルの絵の世界を再現したかったのだとか。こちらもすごくかわいいので、ご興味がある方はチェックしてみてくださいね~。



『リトル・ボーイ 小さなボクと戦争』ヒューマントラストシネマ有楽町、ユーロスペースほか全国順次公開中!



文/渥美志保

最終更新:9/6(火) 20:00

講談社 JOSEISHI.NET