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改革進めるサウジ、その先は?―日本の未来を左右 --- GEPR

アゴラ 9/6(火) 16:30配信

石井孝明 経済ジャーナリスト

サウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマン副皇太子が公賓として9月1日に日本を訪問した。それに同行して同国の複数の閣僚らが来日し、東京都内で同日に「日本サウジアラビア“ビジョン2030”ビジネスフォーラム」に出席した。

同国は今年4月「サウジアラビア・ビジョン2030」という国家改革プランを公表。30年までに石油に依存した同国の体質を変え、製造業とサービス産業を成長させて、開かれた国家にする構想を打ち出した。大臣らはこのビジョンに基づく改革の決意を、熱意を込めて語った。

成功すれば、サウジはその豊かな石油資源のもたらす富を背景に、「欧米型の仕組みを持ったイスラム経済大国」というユニークな姿に変身するだろう。サウジの未来は日本と密接に結びつく。その現状を伝えたい。

石油から、投資収益による国へ、「サウジ・ビジョン2030」

「ビジョン2030」は、ムハンマド副皇太子が経済評議会議長として、今年4月にまとめた。

ポイントは以下の3つだ。

1・石油依存型経済から脱却し、投資収益に基づき運営する、効率的な国家を建設する。

2・アラブとイスラムの精神を継承しながら国の改革を行う。

3・サウジアラビアは、地理的にアジア、ヨーロッパ、アフリカの3大陸の結節点にある。その地の利を活かして、物流、技術、情報などあらゆる物事の「ハブ」になる。

そして「活気ある社会」、「盛況な経済」、「野心的な国家」などの目標を立て、2030年までの期限を区切り、各社会問題で変化の数値目標を設定した。

いずれもサウジの現状を反映した適切な目標だ。日本も改革が叫ばれ続けているのに遅々として進まない。社会全体が一丸となって目標に進むサウジは、政治体制の違いがあるとはいえ、参考になる点が多いと思う。

日本企業のサウジへの期待

セミナーの主催は日本貿易振興機構(JETRO)と中東協力センター。JETROはサウジアラビア総合投資院と協力覚え書きを結び、政策情報の交換、投資家の相互紹介、技術仲介での関係を強化することを決めた。JETROの平野克己理事長は「意欲的な改革でサウジは一段と成長し、それは日本にビジネスチャンスをもたらす」と期待を述べた。

セミナーには世耕弘成経産大臣が出席し、「サウジアラビアと日本との深い絆」を強調。サウジアラビアの政府、公的投資基金・投資庁、アラムコ、電力公社などの各企業と、日本の経済界の代表らが協力の覚え書きを結んだ。また個別企業同士が協力協定を13件調印するセレモニーが、世耕大臣とアラビア側の大臣5人が臨席して行われた。

そこには日本の大企業30社の社長、会長クラスが集まった。千代田化工、日揮、東京電力などのインフラ企業、銀行などの金融機関だ。多忙な企業トップが、これほど集まる会合は珍しい。日本企業がサウジと良い関係を持ち、さらに深化させたがっていることがうかがえた。そして600人の日本、サウジの出席者があった。

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最終更新:9/6(火) 16:30

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