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米8月雇用統計で、マーケットは9月利上げに黄信号と解釈 --- 安田 佐和子

アゴラ 9/6(火) 16:31配信

米8月雇用統計・非農業部門就労者数(NFP)は前月比15.1万人増と、市場予想の17.5万人増を下回った。ホリデー商戦でかさ上げされた2015年10月以来の高水準だった前月の27.5万人増(25.5万人増から上方修正) 以下に。過去2ヵ月分では6月分が29.2万人増から27.1万増に引き下げらたため、0.1万人の下方修正となる。6~8 月期平均は23.2万人増となり、2015年平均の22.9万人増を上回った。年初来では18.2万人増と、2015年以下にとどまる。

NFPの内訳をみると、民間就労者数が前月比12.6万人増と市場予想の17.9万人増を下回った。7月の22.5 万人増(21.7万人増から下方修正)に及ばず。民間サービス業が15.0万人増と前月の21.4万人増(20.1万人増から上方修正)以下となり、ヘッドラインと合わせ3ヵ月ぶりに20万人台を割り込んだ。セクター別動向では上位常連の教育/健康がトップに立ち、2位は前月に続き娯楽、3位も前月と変わらず政府が入った。

(サービスの主な内訳)
・教育/健康 3.9 万人増<前月は4.4万人増、3ヵ月平均は4.5万人増
(そのうち、ヘルスケア/社会福祉は3.6万人増<前月は5.6万人増、3ヵ月平均は4.7万人増)
・娯楽/宿泊 2.9万人増<前月は4.5万人増、3ヵ月平均は4.2万人増
(そのうち食品サービスは3.4万人増、2015年平均の3.0万人増を上回る)
・政府 2.5万人増>前月は5.0万人増、3ヵ月平均は3.6万人増

・専門サービス 2.2万人増<前月は8.0万人増、3ヵ月平均は5.0万人増
(そのうち、派遣は0.3万人減<前月は1.3 万人増、3ヵ月平均は0.8万人増)
・金融 1.5万人増<前月は1.9万人増、3ヵ月平均は1.7万人増
・小売 1.5万人増>前月は1.1万人増、3ヵ月平均は1.6万人増

・輸送/倉庫 1.5万人増=前月は1.5万人増、3ヵ月平均は0.8万人増
・その他サービス 0.7万人増>前月は0.2万人増、3ヵ月平均は0.7万人増
・情報 0.4万人増>前月は0.4万人減、3ヵ月平均は1.4人万人増

・卸売 0.4万人増>前月0.1万人増、3ヵ月平均は0.2万人増
・公益 0.1万人減<前月は0.1万人増、3ヵ月平均は0.1万人増

財生産業は2.4万人減と、前月の1.1万人増を下回り減少トレンドへ戻した。米8月チャレンジャー人員削減予定数(http://mybigappleny.com/2016/09/01/job-cuts16aug/)に反し、鉱業は足元久々に明確な減少を示す。米8月ISM製造業景況指数(http://mybigappleny.com/2016/09/02/ism-16aug/)が分岐点割れに落ち込み雇用が下げ幅を広げた動きと整合的だ。製造業や建設も減少に転じた。

(財生産業の内訳)
・製造業 1.4万人減<前月は0.6万人増、3ヵ月平均は±0万人
・建設 0.6万人減<前月は1.1万人増、3ヵ月平均は±0万人
・鉱業/伐採 0.4万人減、減少トレンドを維持(石油・ガス採掘は800人減)>前月は0.6万人減、3ヵ月平均は0.6万人減

平均時給は前月比0.1%上昇の25.73ドル(約2600円)と、市場予想の0.2%から鈍化した。前月の0.3%にも届いていない。前年比も2.4%の上昇にとどまり、こちらも2009年7月以来の力強さを遂げた6~7月の2.6%以下に終わった。

週当たりの平均労働時間は34.3時間と、市場予想の34.5時間を下回った。7月まで6ヵ月続いた34.4時間から短縮している。財生産業(製造業、鉱業、建設)の平均労働時間は前月の40.3時間を経て、40.0時間へ短縮した。2007年以来の高水準に並んだ2014年11月の41.1時間から、乖離を広げつつある。

失業率は6~7月に続き4.9%となり、市場予想の4.8%を上回った。リーマン・ショック以前にあたる2007年11月以来の水準へ急低下した5月の4.7%を超えたままだ。6月米連邦公開市場委員会(FOMC)メンバーによる2016年見通し(http://mybigappleny.com/2016/06/16/fomc-16june/)も超えた水準を保つ。マーケットが注目する労働参加率は62.8%と、前月と変わらず。なお、2015年9~10月は62.4%と1977年9月以来の低水準だった。

失業者数は前月比7.9万人増となり、前月の1.3万人減から増加に転じた。雇用者数は9.7万人増と3ヵ月連続で増加も、前月の42.0万人増から減速。失業者の増加分を雇用が上回り、失業率の上昇を抑えた。 就業率は前月と変わらず59.7%で、金融危機以前の水準を下回ったままだ。

経済的要因でパートタイム労働を余儀なくされている不完全失業率は前月と変わらず9.7%となり、金融危機前にあたる2008年4月以来の最低だった前月の9.6%を上回る水準を保つ。 失業期間の中央値は11.2週と7月の11.6週以下ながら、年初来で最低だった6月の10.7週を超えたままだ。平均失業期間は前週の28.1週を下回り27.6週間となった一方、2009年9月以来で最短だった5月の26.7週超えを維持。27週以上にわたる失業者の割合も26.1%と7月の26.6%から改善しつつ、2009年3月以来の水準に低下した5月の25.1%を上回った。

フルタイムとパートタイム動向を季節調整済みでみると、フルタイムは前月比0.3%増の1億2430万人と3ヵ月連続で増加した。パートタイムは1.4%減の2721万人と、過去6ヵ月間で5回目の減少を示す。増減数ではフルタイムが40.9 万人増、パートタイムは38.8万人減となる。

総労働投入時間(民間雇用者数×週平均労働時間)は民間雇用者数が前月を下回ったほか、週平均労働時間も34.3時間と34.4時間から短縮したため、前月比で0.2%低下した。さらに平均賃金の伸びが縮小したため、労働所得(総労働投入時間×時間当たり賃金)は、前月比0.1%低下した。

イエレン米連邦準備制度理事会(FRB)議長のダッシュボードに含まれ、かつ「労働市場のたるみ」として挙げた1)不完全失業率(フルタイム勤務を望むもののパートタイムを余儀なくされている人々)、2)賃金の伸び、3)失業者に占める高い長期失業者の割合、4)労働参加率――の項目別採点票は、以下の通り。

1)不完全失業率 採点-×
今回は9.7%と7月と変わらず、2008年4月以来の低水準を示した6月の9.6%を上回った水準を保つ。不完全失業者数は前月比1.9%増の605.3万人と2ヵ月連続で増加した。

2)長期失業者 採点-△
失業期間が6ヵ月以上の割合は全体のうち26.1%と7月の26.6%から改善したものの、 2009年3月以来で最低を更新した5月の25.1%から上昇。平均失業期間は27.6週と7月の28.1週以下ながら、 2009年9月以来の低水準だった5月の26.7週からも延びた。6ヵ月以上の失業者数は前月比0.7%減の200.6万人と直近で最低を更新した5月の188.5万人を3ヵ月連続で上回った。

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最終更新:9/6(火) 16:31

アゴラ

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