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映画『スーサイド・スクワッド』で、ハーレイ・クインが最高で最低な理由

ローリングストーン日本版 9/6(火) 16:00配信

DCコミックの駄作実写映画『スーサイド・スクワッド』で評価できるのは、マーゴット・ロビーの演技力。しかし、彼女を最大限に活かせなかったことはこの映画の最大の失敗でもある。

【予告編はこちら】映画『スーサイド・スクワッド』で、ハーレイ・クインが最高で最低な理由

オーストラリア出身の歌手グレイスがレトロな雰囲気を漂わせて歌う、レスリー・ゴーアのフェミニスト宣言ナンバー『ユー・ドント・オウン・ミー』(63年)のカヴァーが流れる中、シルク・ドゥ・ソレイユの狂った曲芸師のように、独房の柵にぶら下がって登場する女ヴィラン。白塗りの顔でクスクス笑い、計算高くてクレイジーな彼女は、サディストな男たちに翻弄されるキャラクターだ。しかし、男たちに強要されて酸のタンクに飛び込んだ彼女を追って飛び込むほど、彼女を愛している男もいる。また、完全警備の独房の柵を彼女が舐める姿を見物するのが好きだという男までいる(そんな男たちも、彼女が男5人ぐらい簡単に病院送りにできることを承知している)。彼女はバットを巧みに扱うブロンクス出身の女で、道化師の化粧をした死をもたらす破壊神シヴァなのだ。

彼女の名前は、ハーレイ・クイン。ハロウィンで、彼女に仮装したファンを見かけたことがあるかもしれない 。マーゴット・ロビー演じるハーレイ・クインは、『スーサイド・スクワッド』最大の魅力だ。DCエクステンディッド ・ユニバースは、ダークで面白い映画を制作できることをこの悪党アクション映画をもって証明したいと強く願っているが、その狙いは全て演技に反映されている。そしてハーレイ・クインは間違いなく、このキャラクターを台無しにする魂の込もっていないスーパーヒーロー大作映画で、最も巻き添えを食らったキャラクターだといえる。あなたはきっと、この映画の多くの欠点を我慢できるだろう。しかし、この複雑でアイコニックなキャラクター、ハーレイ・クインが台無しにされていることには耐えれないだろう。

ハーレイ・クインが映画『スーサイド・スクワッド』の最高で最低な要素である理由(2)

『スーサイド・スクワッド』は噂通りの駄作だ。とはいえ、安定した興行を見込める映画の中で最も最悪な映画というわけではない。米ローリングストーン誌の映画批評で 、悲惨度は2015年夏に公開された『ファンタスティック・フォー』と同レベルだと評価されていたが、それほど悲惨な映画でもない。もっとひどいスーパーヒーロー映画は他にもある。大手スタジオが手がけた『ウォークラフト』や『アリス・イン・ワンダーランド/時間の旅』を見に行ったのであれば、あなたは確実にもっとひどい映画に耐えたといえる。もちろん、『スーサイド・スクワッド』が駄作だということに変わりはない。PGー13指定映画のため当たり障りのない内容に落ち着いてしまった点、オリジナリティと刺激の両方を同時に追求しようとした点、ジャレッド・レト演じる洒落た麻薬カルテルのボス風ジョーカーの出演時間がほんのわずかだという点、サウンドトラックが普通である点、ちぐはぐなストーリーラインが漫画本のコマを切り取って順不同に張り付けたもののようだという点が、低評価の主な原因となっている。そしてこれらは全て、100%事実なのだ。もし希望するなら、映画批評サイトの ロッテン・トマトを削除するよう願い出ることもできるだろう。しかし、その怒りをDCとワーナー・ブラザーズへ向けた方が賢明なのではないだろうか。

しかし映画最大の失敗は、ハーレイ・クインと彼女を演じる女優を最大限に活かしきれなかったことだ。アニメ版『バットマン』とベストセラーのコミックでハーレイ・クインを知っているなら、彼女がジョーカーのサイドキックから、"犯罪の道化王子"と手を組む愛人、そしてライターのアブラハム・リースマンの言葉を借りると、「おどけたユダヤ人で、道徳的問題や深刻な欠点を抱えていながら、何百万の人に愛される」ヒロインへと変化を遂げた複雑なキャラクターであることを知っているだろう。しかし映画が、大勢の俳優、キャラクター、続編の方向性やその他のお荷物的要素に苦戦している中で、これら全てのバージョンのハーレイ・クインを表現するのは難しい。マーゴット・ロビーはというと、ハーレイ・クインが映画の切り札的存在で、他の誰よりも衝動的に行動するキャラクターだということと同様に、この事実に気付いている。

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最終更新:9/6(火) 16:10

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