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サウジは日本にとってエネルギーの「命綱」 --- GEPR

アゴラ 9/7(水) 16:10配信

池田信夫 アゴラ研究所所長

サウジアラビアのサルマン副皇太子が来日し、「日本サウジアラビア“ビジョン2030”ビジネスフォーラム」を開いた。これには閣僚のほか、大企業の役員が多数詰めかけ、産油国の富の力とともに、エネルギー問題への関心の強さを見せた。その内容については、石井さんの記事「改革進めるサウジ、その先は?」(http://www.gepr.org/ja/contents/20160902%EF%BD%B001/)がくわしいが、ここではちょっと違う角度から見てみよう。

中東で数少ない「話の通じる国」

日本政府や企業がサウジに関心を示すのは、それが中東の数少ない「話の通じる国」だからである。もちろん西洋的な意味での民主国家ではなく、法の支配が確立しているわけでもない。その意味ではアラブに民主国家はないといってもいいが、その中では相対的にまともな国である。それがイスラム原理主義者に敵視される所以だが、日本はサウジを大事にするしかない。

今回サルマン副皇太子が持ってきた「ビジョン2030」は、サウジを近代化する計画で、石油に依存した経済をバランスの取れたものにし、普通の資本主義にしようというものだ。そのためには、日本のエネルギー技術やインフラ技術が役に立つだろう。

それ以上に日本にとって重要なのは、サウジの地政学的な位置だ。図のようにペルシャ湾をへだててイランと向かい合い、何かあったらホルムズ海峡が封鎖されるおそれがある。日本に輸入される原油の80%がここを通っているので、サウジとイランが仲よくすることは、日本のエネルギー安全保障にとっても死活問題だ。

特に今は原発を止めて、化石燃料の依存率が90%以上になっているので、中東で何かあったらたちまち日本のエネルギー価格に影響する。石油は備蓄があるが、LNGなどの価格が上がり、日本経済は大きな打撃を受ける。フォーラムには世耕経産相も出席したが、安倍政権がエネルギー問題から逃げないで原発を正常化することが最善の安全保障だ。

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最終更新:9/7(水) 16:10

アゴラ

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