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米国9月利上げ その瞬間を投資にどう活かすか、プロが指南

マネーポストWEB 9/7(水) 16:00配信

 FRB(米連邦準備制度理事会)のイエレン議長が「9月利上げ」を強く示唆し、世界中の投資のプロが、年内残り唯一の「儲けのビッグチャンス」に注目している。各国の株価・為替が大きく動きだすその瞬間に何をすべきか。専門家の多くは、米利上げによって為替市場がまず、「ドル高」に動くとみている。ドルの金利が上がるので、ドルの買い手が増え、ドルの価値が上がるというロジックだ。

 そこで「価値が上がるドル建ての資産を買う」という儲け方を推奨するのは経済アナリスト・森永卓郎氏だ。

「投資初心者であれば、利上げに先立ってドル預金をしておくのがいいでしょう。日本の大手銀行でも取り扱いがあります。利上げ発表のある日本時間深夜でも取引ができるという意味では、FX(外国為替証拠金取引)も選択肢になります。ドルを買って、ドル高が進んだところで売れば利ざやが得られる仕組みです」

 また、ドルの金利が上がることで、円のように金利の低い通貨は売られる傾向が強くなる。その「円安」にも好機があるとみているのは、株式評論家の植木靖男氏だ。

「年明けからの円高基調で、薬品や小売など内需関連が主役でしたが、利上げを境に円安へと転じ、外需関連、輸出株への追い風となるでしょう」

 ポイントは、9月利上げであればFOMCと時を同じくして日銀の政策決定会合が開かれることだ(20~21日)。日銀の追加緩和は為替を円安に動かすことが多いため、「FRBの利上げと日銀の追加緩和が重なれば、さらに大きく円安に動く」(前出・森永氏)とみられており、輸出株が値を伸ばす展開が期待される。

 少ないながら、「利上げ=円安ドル高」に異を唱える専門家もいた。レオス・キャピタルワークス運用部長の渡邉庄太氏はこういう。

「市場には“バイ・オン・ルーマー、セル・オン・ファクト(噂で買って事実で売る)”という格言があります。昨年12月の利上げの際も、事前に〈利上げ観測〉が繰り返され、市場は“織り込み済み”になっていた。つまり、利上げ前にドルが買われ、利上げが確定したら逆に売られたのです」

 今回も、8月末のイエレン発言によって市場は織り込み済みになっている可能性があるのだ。そこで、「市場心理の裏を突くべき」とするのはSBI証券投資調査部シニアマーケットアナリスト・藤本誠之氏だ。

「利上げで輸出関連銘柄が上がると考えるのが一般的ですが、けるなら逆の発想が必要で、利上げ時にこれらを空売りするのです」

 空売りは“株価が下がるとかる”仕組みの取引だ。藤本氏はトヨタ自動車(東1・7203)を例に説明する。同社株は英国のポンドショック直後の6月28日に4917円の年初来安値まで売り込まれたが、その後上昇して8月31日終値で6238円まで値上がりしている。

「この値上がりは米国の利上げ分も少しずつ織り込んできた可能性があり、利上げ後にさらに上がるかといえば疑問。米利上げのように大々的に公表される材料の時は、逆を行くわけです。逆張りは小さな銘柄よりも大きな主力銘柄のほうがリスクは少ないので、他にも小松製作所(東1・6301)やデンソー(東1・6902)などの銘柄も同様に空売り候補と考えることができる」(同前)

 王道を行くか裏道で待ち構えるか。プロたちの戦略を参考に、今年最後のビッグチャンスに備えたい。

※週刊ポスト2016年9月16・23日号

最終更新:9/7(水) 16:00

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