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「京都国際映画祭 2016」プログラム発表会見 森達也監督、蛭子能収、木村祐一らが登壇

リアルサウンド 9/7(水) 21:46配信

 10月13日から開催される映画祭「京都国際映画祭 2016 KYOTO INTERNATIONAL FILM AND ART FESTIVAL 2016」のプログラム発表会見が、9月6日によしもと祇園花月で行われた。

 「京都国際映画祭2016」は、2014年から「京都映画祭」の伝統と志を引き継いで開催された「映画もアートもその他もぜんぶ」をテーマにした映画祭。今年のキャッチコピーは「京都上ル上ル」(あがるあがる)に決定した。メインビジュアルでは、今年のキャッチコピーとともに、京都の街が捉えられている。

 このたび行われたプログラム発表会見では、司会をブラックマヨネーズとKBS京都の遠藤奈美アナウンサーが務めた。京都出身のブラックマヨネーズは、これまでの映画祭での思い出をふり返りつつ、小杉竜一が「僕らも毎年楽しませてもらっています」とコメント。会見は、京都市長である門川大作氏の挨拶から始まり、「先頭に京都が立ち、この映画祭が開催されるのはうれしい限りです。オープニングセレモニーが元離宮二条城で開催されることも、京都として大変うれしいこと。精一杯、盛り上げてまいりたいと思います」と意気込みを語った。

 「京都国際映画祭」実行委員会・名誉実行委員長の中島貞夫監督が「映画祭とは、皆さんにたくさん来ていていただいて、初めて存在が明確になる催しです。お客さんに会場に足を向けてもらう、そのためには皆さんのお力が何よりも大切でございます。皆さんのお力を貸してください」と挨拶を行い、「京都国際映画祭」実行委員会・実行委員長の中村伊知哉氏は、今回のキャッチコピー「京都上ル上ル」にちなんで「東西南北、京都の街をすべて使って京都の空へと上がりましょう。京都の全部の魅力を世界に発信するためには、中島監督の力をお便りしようと思っていますし、奥山和由プロデューサーのお力、関係者の皆さんと共に力を合わせて盛り上げていきたいと思います」と意気込んだ。

 2013年の京都国際映画祭準備委員会発足より、「京都国際映画祭」総合プロデューサーを務める奥山和由氏は「本当に京都は文化の発信力を持っていて、文化がこの都市を作りました。ここで映画祭をできるのは至福の至りでございます」と喜びを語り、「1回目で産声を上げ、2回目は育ち盛り。思春期を迎えたように、やりたい放題やらせていただきました。そして今年は成人して大人になり、社会に責任を果たしていく一人前の映画祭になりたいと思っています。個性を強調し、メッセージを強烈に発信していく映画祭になっていきたいと思います」とコメント。

 続いて、今年の京都国際映画祭のオープニングセレモニーが実施される世界遺産・元離宮二条城が紹介され、ブラックマヨネーズのふたりは「京都出身の人間も、元離宮二条城に来ると背筋がシャンと伸びる。ここでオープニングセレモニーが行われるとは、すごいセレモニーになりそうです」と、期待を口にした。

 「映画部門」の紹介が一通り行われた後、オープニングプレミア作品「MIFUNE: THE LAST SAMURAI」のトレーラーが上映された。総合プロデューサーの奥山氏が再び登壇し、ゲストに「MIFUNE: THE LAST SAMURAI」でプロヂューサーデビューを果たした三船力也氏を迎え、オープニングプレミア作品の魅力を紹介した。

 さらに、ドキュメンタリー映画監督の森達也監督もステージに登場し、奥山氏は「大作ぞろいのなか、単館上映作品では『FAKE』が時代を変えたといっていい」と絶賛。実は『FAKE』を制作する際、奥山氏は森監督に「一緒にやらないか」と声をかけられたが、撮影するのが佐村河内守氏と聞き、断ってしまったというエピソードを明かした。また、ドキュメンタリー映画の制作費などについて赤裸々に語る一幕もあり、森監督は「裏庭の、薄暗いところにある石をひっくり返すといろんな虫がくっついていますよね。ドキュメンタリーは、そういう分野。 だから、きらびやかな場所は居心地が悪くて、今困っています」と苦笑いした。なお、本映画祭で行われる「森達也特集」では、森監督のトークイベントも合わせて行われるとのことだ。

 映画『ワレワレハワラワレタイ』の映画監督を務めた木村祐一も登壇し「吉本所属芸人107組に3年強かけてインタビューを行い、そのなかから何組かを抜粋して上映するというので、インタビューを担当しました。前回も10組、上映させてもらいましたが、今回は一部編集を加え、新しいメンバーの上映もあります。仁鶴師匠からチュートリアルまで、テレビでは語られることのない、笑いに関しての悲喜こもごもを、100~120分のインタビューを編集して上演します。ゲストを呼んでトークショーも行います」と作品を紹介した。

 大阪芸術大学教授の太田米男氏、脚本家でもある日本チャップリン協会会長の大野裕之氏、活動弁士の片岡一郎氏もステ ージに登場し、本映画祭で行われる「チャップリン特集」についてコメントした。太田氏は「チャップリンの作品を大スクリーンで見られる機会はなかなかない。ご覧になると、100年近く前にこんなことをやっていたのかと驚くような作品ばかりです」と話した。大野氏は「今回、チャップリンの作品を久しぶりに大スクリーンで、それもデジタルリマスターされた鮮明な映像でもう一度観られるなんて、 素晴らしい企画です」と喜びを語り、「チャップリンは完璧主義者やったんですが、NGテイクが400巻ぐらい残っています。そのなかで世界中、誰も観たことがない、NGテイクをご用意してご提供しようと思っています」と明かした。

 片岡氏は「サイレント映画を取り上げられる映画祭はありがたい」とし、「デジタルの世の中に、そのなかで人間が映画を語り、演奏を奏でるのが無声映画の力です。そういった映画の魅力に人間の力が合わさって新しい魅力が提示されると思います。期待しています」と話した。なお、小津安二郎作品では、『突貫小僧』の最長版が発見され、今回が世界初上映とのことだ。

 「アート部門」の紹介が行われ、蛭子能収、西本願寺・伝道院で「コンセプトモデル展」を実施する建築家・遠藤秀平氏が登壇した。蛭子は「間に合えばいいんですが、ちょうど今、制作している作品がある」と話し、遠藤氏は「建築は残念ながら持ち歩きできないので、アイデアやエッセンスを模型にして皆さんに観てもらおうと思っています。日本では建築ミニチュアが少ないんですが、建築の愛の結晶であるミニチュアに興味を持ってもらいたい。伝道院のユニークな空間の中で観られますので楽しみにしていてください」と建築ミニチュアの魅力を語った。

 「第5回沖縄国際映画祭」より創設された“クリエイターズ・ファクトリー”の紹介では、「エンターテインメント映像部門」審査員・春日太一氏、「アート部門」審査員・江村耕一氏が登壇し、 江村氏が「ジャンルもノンジャンルなのでそれを楽しみにしているんですが、そこで選ばなくてはいけない難しさもあり、緊張しています。あと、子ども部門もありまして、世代の違う作品がどんな風な場を作るのかも楽しみです」と話した。本映画祭では映像分野だけでなく、アート分野からも幅広いジャンルのクリエイターの参加を募るとのことだ。

 そして吉本興業を代表し、株式会社きょうのよしもと代表取締役社長・木村深雪氏が、これまでの映画祭をふりかえりつつ、「1年目は指先をそっと触れ合って、2年目は手のひらを合わせ、3年目はギュッと手を握り合えたらと思っています」とコメントした。ほかにも「映画部門」映画祭連携企画や「アート部門」の企画も紹介された。「京都伝統産業ふれあい館」では、子どもたちが職人やアーティストの技術に直接触れられるワークショップ企画など、参加型の企画が複数実施されるとのことだ。

 映画祭連携企画より、第19回京都国際学生映画祭実行委員会副実行委員長、桂季永氏は「学生映画のおもしろさ、魅力の詰まった作品を取り揃えていますのでぜひご覧ください」とコメントし、京都住みます芸人であり、今回はサイレント映画の活動弁士としてイベントにも出演予定の月亭太遊は「今、京都の皆さんにかわいがっていだいているので、恩返しのためにも活動弁士として皆様を楽しませたい」と話した。また、「京都伝統産業ふれあい館」より、京都伝統産業ふれあい館館長の八田誠治氏と、アナスタシア・ブルカヴェツ氏が「ここへ来ていただくと、74品目がすべて見られますのでぜひおこしください」と宣伝。

 「旧嵯峨御所 大本山 大覚寺」にて、「大・哲夫塾」を開催する笑い飯・哲夫も登壇し、「大覚寺さんで写経の授業をやらせていただいたんですが、ちょっとおしゃべりもやらせていただいたんですが 、格式高すぎて静かにしてたんです。そしたら静かにしすぎて、お坊さんに『もっとお笑いをいれなさい』と言われました。だから今回は、もうちょっと笑いも入れていきたいと 思います」と語った。

 最後に、文化観光都市・京都と本映画祭を結ぶ架け橋として、京都出身である清水圭と、今くるよが登壇し、第1回目からたずさわっている清水が「僕は映画が大好きです。祇園花月は、昔は祇園会館という名前で、学生時代によく映画を観に来ていました。まさかここがよしもと祇園花月になると思いませんでしたが、京都という伝統のあるところで3年目を迎えます。京都だと、3年目といえば、1秒とか2秒とか。まだそれぐらいの歴史しかない映画祭です。でも、活動写真などなかなか観る機会がない映画も上映します。活動写真の時はご年配の方が多いんですが、ぜひ若い方々に昔の歴史ある活動写真を観ていただきたいと思います」と話した。一方の今くるよは「京都はええよ~。今日もええなと思ったのが、歩いてましたら『いや~、おかえり!』と言ってくれはってん。『京都国際映画やろ?』とも言ってくれはって、お馴染みになってますよ。これは『どやさ!』です」と喜んで語り、「どうか皆さん、『どやさ、どやさ』といいながらぜひ参加してください」と締めくくった。

リアルサウンド編集部

最終更新:9/7(水) 21:46

リアルサウンド

TEDカンファレンスのプレゼンテーション動画

北朝鮮からの脱出
北朝鮮での幼少時代、『ここは地球上最高の国』と信じていたイ・ヒョンソだったが、90年代の大飢饉に接してその考えに疑問を抱き始める。14歳で脱北、その後中国で素性を隠しながらの生活が始まる。 これは、必死で毎日を生き延びてきた彼女の悲惨な日々とその先に見えた希望の物語。そして、北朝鮮から遠く離れても、なお常に危険に脅かされ続ける同朋達への力強いメッセージが込められている。