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映画『オーバー・フェンス』:オダギリジョーと山下敦弘監督が真っ向勝負で作品と向き合う

ローリングストーン日本版 9/7(水) 19:00配信

現在、再評価が著しい作家・佐藤泰志。そんな佐藤の作品が、『海炭市叙景』、『そこのみにて光輝く』に続いて映画化された。"函館三部作"と呼ばれる本シリーズの最後を飾るのは、オダギリジョーと山下敦弘監督がタッグを組んだ『オーバー・フェンス』だ。

【動画・写真あり】映画『オーバー・フェンス』:オダギリジョーと山下敦弘監督が真っ向勝負で作品と向き合う

妻に見限られ、故郷の函館に戻って職業訓練校に通う白岩(オダギリジョー)と、そんな白岩が出会った"聡(さとし)"という鳥の求愛ダンスを踊るホステス(蒼井優)。生きることに不器用な彼らの交流を軸に、物語は進んでいく。今回はオダギリ&山下という同世代のふたりに、作品について語ってもらった。


―今回山下監督は"函館三部作"のトリを任されたわけですが、ともに評価の高い熊切和嘉監督の『海炭市叙景』、呉 美保監督の『そこのみにて光輝く』の後ということで、プレッシャーもあったのでは。

山下:もちろんプレッシャーはありました。だからこそ、今回はあまり計算をせずに、真っ向勝負しようと思って。いつもの自分とはちがう発想で、素直な感覚で映画と向き合うようにしました。

―主人公の白岩役をオダギリさんにオファーされた理由は。

山下:オダギリさんとは『深夜食堂』やBeeTV『午前3時の無法地帯』といったドラマではご一緒しているのですが、まだ映画では仕事をしたことがなかったのと、白岩や僕とほぼ同世代ということもあったのでオファーさせていただきました。

―『オーバー・フェンス』をひとことでいうと"大人の恋愛映画"だと思うのですが、オダギリさんはこれまで多くの作品に出演されているにもかかわらず、本作のような映画は珍しいですよね。

山下:言われてみれば確かに、オダギリさんは恋愛映画に出演されていないですね。

オダギリ:あまり好きじゃないんです。観る側に立って考えても、自分が恋愛映画の主役をやっているのが気持ち悪く感じられて(笑)。きっと、誰も観たくないと思うし。僕自身、そういった映画に興味がないというのもあります。ほかに出演される方はたくさんいますから、適材適所で似合う人がやればいいと思うんです。僕は、自分の身の程に合った映画をやるべきだと常に思っているんです。

山下:『午前3時の無法地帯』の時は、かわいいラブコメのようなドラマだったので、オダギリさんがこういう作品にも出てくれるんだと当時思った記憶があります。あの作品は、本田翼ちゃんをいかにみんなで素敵に見せるかというのがテーマだったんですが、本作に関してはオダギリさんにも当事者になってもらおうという感じでした。もちろんオダギリさん主演の恋愛映画を見てみたいという気持ちはありましたけど、この作品はそこまでラブストーリーを意識したものではなくて。結果的にはオダギリさんらしい白岩と、蒼井優さんらしい聡の物語になったかなと思います。

オダギリ:僕もこの作品に関して、恋愛映画と思ったことは一度もありませんでした。取材を受けていく中で、そういったワードが出てきて驚いたくらいで。40歳という年齢になって、"ドキドキワクワク"みたいな恋愛の尺度が自分の中にはかなり薄れてるとも思いますが(笑)。自分では、この作品は人間ドラマだと思っています。どこか精神的にバランスの崩れている聡と白岩が、響き合って互いに影響し合う物語だと思うので、ふたりの恋愛模様という部分は僕にはどうでもいいことなんです。

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最終更新:9/7(水) 19:00

ローリングストーン日本版

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