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ファミマに買収された人気地方コンビニ「ココストア」「エブリワン」ファンに朗報!一部店舗が分離・存続に

HARBOR BUSINESS Online 9/7(水) 16:20配信

 一部の地域で絶大な人気を誇っていたコンビニエンスストア「ココストア」「エブリワン」のファンに朗報だ。

 2015年12月にココストアグループがファミリーマート傘下となって以降、店舗が減り続けていた両店だったが、今夏まで残存していた店舗の多くが改名したうえで、業態もそのままに営業を続けることが明らかになった。

◆「店内厨房」を武器にしていた「ココストア」

「ココストア」は1971年に名古屋の食品商社「盛田」(1665年創業、ソニー創業者・盛田昭夫氏の実家)の系列企業「山泉商会」(のちに「イズミック」に改名)のコンビニ事業部として創業、1972年には株式会社ココストアとして分社化された。ココストア1号店の藤山台店(愛知県春日井市)は「日本初の本格的コンビニエンスストア」としても知られている。

 ココストアでは、一部の大型店舗に「ココ・デ・クック」「ココ・デ・ベイク」と称する本格的なベーカリーと厨房を備えており、24時間「焼き立てパン」「出来立て弁当」を提供していたほか、店内で製造される「ばくだんおにぎり」は名物商品となっていた。また、2012年には、人気手羽先居酒屋チェーン「世界の山ちゃん」とのコラボ商品を展開するなど、名古屋発祥企業らしい商品ラインナップも行っていた。

◆「九州人好み」で人気があった「エブリワン」

 一方の、「エブリワン」は1994年に九州最大手のスーパーであった「ラララグループ・寿屋」(熊本市)により「コトブキヤ・コンビニエンスシステムズ」として創業した。

 エブリワンの一番の特徴は、当時大手スーパーだった「寿屋」とその子会社「ことぶきベーカリー」などのノウハウを生かした本格的なベーカリーと厨房を店内に設置し、24時間「焼き立てパン」「出来立て弁当」を提供できるようにしたことで、熊本の有名ラーメン店とコラボするなど「九州人好み」の商品を数多く取り揃え、大手コンビニエンスストアと一線を画した商品ラインナップは地元住民に絶大な支持を受けることとなった。

 エブリワンは、1999年にはリョーユーパングループ(福岡県大野城市)の「RIC」(リック)などと経営統合して規模を拡大するも(RICの屋号は維持)、寿屋の経営悪化に伴い、2001年にはココストアグループと経営統合した。寿屋はその後、民事再生法を申請して2002年にスーパーマーケット業態を廃止している。

「店内厨房」を武器に戦ってきた両社の合流は、半ば必然的なものだったと言えるかも知れない。合併後は、エブリワンにおいてもばくだんおにぎりの販売を開始するなど、ココストア・エブリワンで、双方の人気商品の相互販売も行われるようになっていた。

◆規模拡大に挑むもファミマに買収、店舗激減……風前の灯に

 ココストアグループは、その後も中堅スーパーマーケット・カスミの傘下だった「ホットスパー」、ココストア分社後にイズミックが運営していた「タックメイト」(屋号は維持)など、全国各地のコンビニエンスストアチェーンを傘下に収めて拡大路線を目指したものの、2015年12月にファミリーマートがココストアグループを買収。ココストアグループの店舗は、ファミリーマートへの業態転換が進んでいた。

 ファミリーマートに転換したココストア・エブリワンの店舗は、ごく一部の物流体制が整っていない店舗(おもに離島)などを除いて殆どの店で店内ベーカリー・店内厨房が廃止されてイートインコーナー・休憩所などに改装、商品もファミリーマートのものに統一されており、これまで「焼き立てパン」「出来立て弁当」などを求めて立ち寄っていた客からは不満の声が上がっていた。

◆エネルギー大手の「ミツウロコ」傘下で新スタート

 しかし、ココストア・エブリワンの歴史はここで終わった訳ではなかった。

 ココストア・エブリワンの一部の店舗と、タックメイト・RICの大部分が、ファミリーマートから再び分離され、別会社に引き継がれることになったのである。

 これらの店舗を引き継ぐのは、エネルギー大手の「ミツウロコグループホールディングス」。ミツウロコは、これまでココストアとエブリワンが特徴としていた「焼き立てパン」「出来立て弁当」を新ブランドの中核と定めており、ミツウロコグループに経営譲渡された店舗では、これまでのココストア・エブリワンとほぼ同様の品揃え・サービスを提供する予定だというから、ココストア・エブリワンのファンには安堵が広がりそうだ。また、タックメイトに改称する一部店舗では、一部のタックメイトが行っていた「炊き立てごはん」の提供を新たに開始する店舗もあるとのことで、以前よりサービスが向上することになる。

 経営譲渡される店舗は、2016年10月1日より業態・品揃えはほぼはそのままにミツウロコの運営による新体制に移行される。また、「ココストア」「エブリワン」店舗の屋号は、年内に順次「タックメイト」(本州、沖縄の店舗)か「RICストア」(九州の店舗)に統一されることになっている。

 なお、一部の大手メディアなどにより、エブリワンとココストアが8月中に全店閉店、もしくは全てファミリーマートに転換するとの報道がなされていたが、これは完全な誤報である。

◆生き続けるココストア・エブリワンの血――今後は新規出店も

 一部店舗の存続が決まったものの、今回ミツウロコグループに経営譲渡される店舗は主に茨城、東海、九州、沖縄本島などに偏っており、全ての店舗がファミリーマートへと転換してしまう地域も多くある。さらに、ココストアの本社があった名古屋市ではココストアつつい店以外のココストア全店舗が、エブリワンの本社があった熊本市ではエブリワン全店舗がファミリーマートへの転換することが決まっている。これらの地域のココストアファン・エブリワンファンは、今後は旅先などで、かつてのココストア・エブリワンを偲ぶということになりそうだ。

 一方で、ミツウロコグループでは、今後は新規出店も検討しているといい、店舗網の再拡大に期待したいところだ。将来、これまでココストアやエブリワンの店舗が無かった地域においても、両店の系譜を引き継いだ”思い出の味”と出会えることがあるかも知れない。

ココストアからミツウロコグループに引き継がれる店舗の一覧はこちらを参照(2016年8月末現在、都商研調べ)。

http://toshoken.com/news/7305

エブリワンからミツウロコグループに引き継がれる店舗の一覧はこちらを参照(2016年8月末現在、都商研調べ)。

http://toshoken.com/news/7213

<取材・文・撮影/都市商業研究所>

【都市商業研究所】

若手研究者で作る「商業」と「まちづくり」の研究団体。Webサイト「都商研ニュース」では、研究員の独自取材や各社のプレスリリースなどを基に、商業とまちづくりに興味がある人に対して「都市」と「商業」の動きを分かりやすく解説している。Twitterアカウントは「@toshouken」

※都商研ニュースでは、今回の記事のほかにも下記のような記事を掲載中

・スターバックスコーヒー、山口市に出店へ-全県庁所在地への出店果たす

・サークルK・サンクス、約1000店を閉店へ-残る店舗はファミマに転換

・西武百貨店、筑波西武・八尾西武を閉店へ-百貨店リストラに突き進むセブンアイ

ハーバー・ビジネス・オンライン

最終更新:9/7(水) 16:20

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北朝鮮からの脱出
北朝鮮での幼少時代、『ここは地球上最高の国』と信じていたイ・ヒョンソだったが、90年代の大飢饉に接してその考えに疑問を抱き始める。14歳で脱北、その後中国で素性を隠しながらの生活が始まる。 これは、必死で毎日を生き延びてきた彼女の悲惨な日々とその先に見えた希望の物語。そして、北朝鮮から遠く離れても、なお常に危険に脅かされ続ける同朋達への力強いメッセージが込められている。