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将棋のプロ棋士は「AIに奪われる職業 No.1」?

R25 9月8日(木)7時0分配信

9月3日、将棋界に史上最年少となる14歳2カ月のプロ棋士が誕生。ところが将棋ソフトの開発者がプロ入りという選択に疑問を呈し、議論となっている。

将棋のプロ棋士になるには、まず「奨励会」に入り、そこで勝ち上がっていく必要があり、四段からが正式なプロとされる。2012年に奨励会に入会した藤井聡太さんは、順調に昇級を続け、今季から奨励会で最も上のクラスの三段リーグに参戦。9月3日の対局で勝利を収めてリーグ1位となり、史上最年少の14歳2カ月でプロ棋士となる四段の資格を得た。過去に中学生でプロ棋士になったのは、羽生善治三冠ほか4人だけ。いずれも名人や竜王などを獲得した超一流棋士ばかりだ。

しかしこのニュースが報じられると、ある将棋ソフト開発者が、ツイッターで、

「おいおい、14才でよりによって『AIに奪われる職業 No.1』に決め打ちしちゃダメだろ。たぶん10年後、遅くとも20年後には棋士は『食べていける職業』ではなくなる。20年後、34才。どうすんの。本人の人生に責任持たない周囲の人が騒ぎ立てて煽るのはどうなのか」

と、ツイートした。このツイッターユーザーは、第1回と第2回の将棋電王戦に出場した「ボンクラーズ」および「Puella α」の開発者という人物で(※電王戦=プロ棋士と将棋ソフトの棋戦)、最年少プロ棋士誕生をはやし立てるメディアを批判している。

プロ棋士と将棋ソフトでは、「今や将棋ソフトの方が強い」というのが定説だ。過去の電王戦の結果は、第2回がプロ棋士の1勝3敗1分、第3回が1勝4敗、第4回が3勝2敗で、今年新設された「叡王戦」の初代優勝者と将棋ソフトの対決も、0勝2敗という結果に終わり、“人間チーム”の劣勢は明らかだ。

プロ棋士よりも将棋ソフトの方が強いなら、プロ棋士の存在意義を問う声があがるのもうなずける。ツイッターには、

「AIに負けたからって将棋の魅力がスポイルされることは無いと思うけど、コンピュータに完全解析されたとしたら、自分は将棋を見続ける自信がない。プロの存在価値はなくなるだろう」
「『AIの進化によって○○の仕事が代替される~』的な話をよく聞くが真っ先に無くなるのは既にやられ始めている囲碁・将棋の棋士さん達なんじゃなかろうかと真面目に思っていたよ」

といった意見が寄せられている。しかしこういった意見はごくごく少数で、

「将棋って人間同士がやるから面白いんじゃないの?」
「いくらAIが強くなっても、将棋の楽しさは変わらなく、魅力ある棋士の将棋を観戦することはファンの楽しみです」
「人間に成り代わってAI同志が将棋で競う時代になるとでも?」
「人はAIの将棋を見たいわけじゃないだろ 人間同士でどこまで駆け引きするのか見てるのが面白いんやで」
「自動演奏するピアノは何年も前からあるが、だからってピアニストの職は無くなってねえだろ」

など、多くの人は将棋ソフトがいくら強くなっても、プロ棋士には存在意義があると考えているようだ。一番分かりやすいのは、14歳の少年がこの後メキメキと力をつけ、新たな「棋界の星」となり、先輩棋士たちと熾烈な戦いを繰り広げること。棋士が「食べていける職業」でいられるかどうかは、史上最年少プロ棋士をはじめ、若手の活躍にもかかっているといえそうだ。

(金子則男)

(R25編集部)

※コラムの内容は、フリーマガジンR25およびR25から一部抜粋したものです
※一部のコラムを除き、R25では図・表・写真付きのコラムを掲載しております

最終更新:9月16日(金)17時59分

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