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りそなVS.郵政 ヒートアップするゆるキャラ抗争

週刊文春 9/8(木) 12:01配信

 ゆるキャラが、金融界を舞台に熱い戦いを繰り広げている。10月24日が投票締め切りの「ゆるキャラグランプリ2016」が、銀行と日本郵政の“代理戦争”の様相を呈しているのだ。

 ゆるキャラグランプリには、「くまモン」(熊本県)や「バリィさん」(愛媛県今治市)などで有名になった「ご当地部門」(総合ランキング)に加えて、「企業・その他部門」がある。昨年は静岡セキスイハイム不動産の「しずな~び」が1位に選ばれたが、今年は現時点でりそなグループの「りそにゃ」が1位、日本郵便の「ぽすくま」が2位で続く。

 頂点に立てば全国のイベントに引っ張りだこで宣伝効果は抜群。さらに、ナンバー1を冠した各種キャンペーンや広告展開なども可能になるとあって「子どもや女性のお客様へのアピール度は絶大。天下取りは譲れない」(りそな)と不退転の覚悟なのだ。

 パソコンやスマホなどからID登録した人なら誰でも1日1回投票できることから、各社とも専用の投票ページや公式ツイッターを設けるなど集票活動に余念がない。

 昨年からグランプリに参戦している「りそにゃ」は、初陣は総合21位、企業・その他で5位だった。今年こそは「りそにゃが天下を狙います」と宣言している。

 そこに立ちはだかるのが、今年初めてエントリーした日本郵便。猫をキャラクター化した「りそにゃ」に対し、「ぽすくま」は熊の郵便屋さん。「ぽすみるく」など7体の応援キャラもいる大軍団だ。金融関係者は戦況をこう占う。

「『ぽすくま』のバックには、20万人を超す日本郵政グループ社員とその家族がいる。グループの稼ぎ頭は、ゆうちょ銀行とかんぽ生命で、メガ金融企業と言っていい。本業同様、日本郵政の“侵攻”を食い止めたいりそなは、グループの埼玉りそな銀行、近畿大阪銀行の顧客や取引先などが頼み。顧客基盤が個人の日本郵政に対し、りそなは会社という『組織票』、『団体票』で勝負を挑む。『社員を総動員して、りそにゃをやる』と言う大阪の中堅企業の経営者もいるそうです」

 5日現在で、りそにゃの約33万票に対し、ぽすくまは約24万票。企業の威信を懸けた対決の行方は――。


<週刊文春2016年9月15日号『THIS WEEK 経済』より>

森岡 英樹(ジャーナリスト)

最終更新:9/8(木) 12:06

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