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G20サミット 中国台頭の予感高まる

マネーポストWEB 9/8(木) 16:00配信

 G20サミットが4日、5日、中国の杭州国際博覧センターで開催された。やや細かい内容だが、あまり日本では紹介されていないようなので、最終的に発表されたコンセンサスについて、以下に紹介しておく(中国証券報の内容を要約)。

【1】世界経済の目指す方向を示すため、その道筋を計画する

 マクロ政策に関する相互伝達や協調を続け、力強く、持続可能で、他国に対して包容力のある世界経済の発展を目指す。

【2】世界経済に新たな動力を注入するために、発展方式においてイノベーション(創新)を起こす

「G20創新成長青写真」を審議・通過させた。科学技術のイノベーションを以て核心とする。発展理念、体制メカニズム、商業モデルなど、全方位的、多層的に幅広い領域においてイノベーションを起こし、その成果の共有を推し進める。

【3】グローバルな経済・金融のガバナンスを改善し、世界経済のリスクに打ち勝つ能力を引き上げる

 国際金融機関の出資比率、ガバナンス構造の改革を行い、各項目の金融改革を実施し、共同で国際金融市場の安定を維持する。

【4】国際貿易、投資による牽引作用を大きく引き上げ、開放型世界経済を構築する

 共同で「G20グループ・グローバル貿易成長戦略」と、今回が初めてとなるグローバルでの投資規則フレームワークである「G20グループ・グローバル投資指導原則」を制定した。引き続き多様な貿易体制を支持し、保護貿易主義に反対する。

【5】G20グループによる協力の成果や恩恵が世界全体に広がるように、包容力があり、連動するような発展を推し進める

 今回、初めて発展問題をグローバルマクロ政策のフレームワークとして突出した位置に置き、また、初めて2030年持続発展計画制定のための行動計画を立ち上げた。同時に、パリ協定をできるだけ早く実行することに同意し、「G20グループによるアフリカや最も発展の遅れた国家の工業化を支持する提案」、「グローバルなインフラ設備相互接続連盟の提案」などを発起した。

 8年前に国際金融危機が発生した際、G8(当時はロシアを含む8か国)だけでは対処が難しくなったことで、20か国の首脳クラスを集めたG20がグローバル世界の問題を話し合う最も影響力のある会議に昇格した経緯がある。

 そうしたG20の議長国として中国は、自国の考え方を世界全体に拡大する形でいろいろな提案を行った。

 初日の習近平国家主席が行った開幕宣言と、コンセンサスを見比べてみると、中国色が薄まった感があるものの、それでもコンセンサスの中には、イノベーションの徹底、グローバル経済・金融のガバナンス改善、包容力があり、恩恵が広く各国にいきわたるような発展の推進などは、中国らしさがにじみ出ている。

 アメリカ、イギリス、EUなどの先進国が内向きになりつつある中で、アメリカの覇権が弱まり、G20が世界の貿易体制を決めたり、金融体制を決めたりする形に世界が移行すれば、中国は今後、G20を通じて大きな影響力を発揮することになるかもしれない。

文■田代尚機(たしろ・なおき):1958年生まれ。大和総研で北京駐在アナリストとして活躍後、内藤証券中国部長に。現在は中国株ビジネスのコンサルティングなどを行うTS・チャイナ・リサーチ代表。ブログ「中国株なら俺に聞け!!」、メルマガ「週間中国株投資戦略レポート」も展開中。

最終更新:9/8(木) 16:00

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