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鳥栖にタイトルを――好待遇の移籍を断った豊田陽平の思いは届くか

webスポルティーバ 9/8(木) 7:10配信

Jリーグセカンドステージ

逆転優勝を狙うキーマン(1)サガン鳥栖


 Jリーグのセカンドステージ、サガン鳥栖はファーストステージの苦戦が嘘のような快進撃を見せている。「過去最高に厳しい練習」の成果だろうか。首位とは勝ち点1差で3位(第10節終了時点)と、悲願の優勝に向け、残り7試合を戦う。

【写真】好調サガン鳥栖の攻撃のキーマン、鎌田大地

 浮沈の鍵を握る選手は、FW豊田陽平(31歳)を置いて他に考えられない。

 豊田は、鳥栖の“戦術シャフト”となっている。前線でボールを呼び込み、敵守備陣を消耗させ、味方にポイントを作り、攻守を駆動させる。何より、J1で4年連続15得点以上を記録する得点力が、鳥栖を走らせてきた。今シーズンもセカンドステージに入ってゴールを連発し、シーズン合計11得点。日本代表に選ばれていないのが不思議で、川崎フロンターレのFW大久保嘉人と並び、Jリーグ最高のストライカーと言えるだろう。

 マッシモ・フィッカデンティが新監督に就任して迎えたファーストステージ、鳥栖は15位に低迷していた。タイトル争いどころか、残留争いに巻き込まれるありさま。豊田が奮戦することによって、どうにか踏みとどまっている格好だった。

「(ファーストステージの成績を考えると)さすがにタイトルうんぬんを語るのは虫がよすぎると思うんで。まずは残留確定を、ですかね」

 セカンドステージ開幕戦に勝利を収めたあと、豊田は慎重に展望を話していた。地に足をつけた彼らしい弁だろう。

 その一方、チームの試みと成長に手応えも感じているようだった。

「つないでいこうとする意識が高くなっているのは、ポジティブなこと。それは、(指揮官が)マッシモになってから徹底的にやってきたことです。簡単に蹴っていたところをつなぐことで時間を作ったり、ひと呼吸置いたり、できるようになってきました。ただ、まだ効果的ではないときがあります。本当なら長いボールを入れたらチャンスなのに、後ろや横のパスでその機会を逃したりして。判断力やしたたかさを身につける必要がありますね」

 セカンドステージで勝ち星が先行するようになった理由、それは継続こそ力なりといったところか。

 イタリア人指揮官が率いる鳥栖は開幕以来、4-3-1-2の布陣でゾーンディフェンスに挑戦してきた。しかし、ゾーンは連係の高さと機敏さが欠かせず、ファーストステージは綻(ほころ)びを突かれることもしばしばだった。そして、ポゼッションを追求しつつ、カウンター確立を目指すも、判断に迷いが出ていた。

「ミスすることを怖がらず、縦にパスが入ってくると、ひとつひとつのプレーがもっと有効になってくるはずですが……」

 豊田はそう明かしていたが、MF水沼宏太(→FC東京)、MF藤田直之(→ヴィッセル神戸)という配球役のふたりが移籍し、得点パターンの構築にも苦しんでいた。

 だが、セカンドステージはタイミングが合う機会が増えた。第10節のアルビレックス新潟戦、敵のパスミスを拾ったMF福田晃斗がダイレクトで豊田に入れた縦パスはそのひとつだろう。エースが持ち込み、1-0で接戦を制した。

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最終更新:9/8(木) 7:10

webスポルティーバ

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