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4年連続2ケタ勝利遠のく? 「勝てない」藤浪晋太郎の明確な課題

ベースボールチャンネル 9/8(木) 11:00配信

今季の藤浪は初回の失点と球数の多さが問題?

 6日、甲子園で行われた読売ジャイアンツ戦に登板した阪神タイガースの藤浪晋太郎は、5回被安打8、4奪三振の自責点3で降板し、11敗目を喫した。
 プロ入団以来、1年目10勝6敗、2年目11勝8敗、3年目14勝7敗と順調に勝ち星を伸ばしてきたが、今季は6勝11敗と高卒新人のデビューから4年連続2ケタ勝利の可能性はほぼなくなったといえる。

 負けが先行している理由はどこにあるか?
 今季の藤浪ははっきりと指摘できる問題点がいくつかある。
 1つ目は、初回の失点。
 セリーグの規定投球回数以上の投手の中から、初回の総失点数から多い順に並べた。

 藤浪は2位の東京ヤクルトスワローズ・小川泰弘の倍近い23失点だ。
 端的に言えば藤浪が登板すれば、阪神は初回から敵にリードを許すことを覚悟しなければならない。これは士気にかかわる。
 先発投手は立ち上がりが課題とされるが、それにしてもこの失点は多すぎる。

藤浪は1回あたりの球数がセで最も多い

 2つ目は、投球数の多さだ。
 セリーグの規定投球回数以上の投手を、1回あたりの投球数の多い順に並べた。

 セでこの数字が最も良いのは昨日、藤浪と投げ合った巨人・菅野智之の15.42。藤浪は17.65でワースト。その差は2.2球に過ぎないが、100球に換算すれば、菅野は6.5回投げられるのに対し、藤浪は5.7回となる。
 6日の試合も5回105球で降板となった。投球数が多くて、序盤から追いかける展開となれば、当然勝ち星は増えていかない。チームにしても藤浪が投げるときは、救援投手を3人は用意せざるを得ず、負担をかけている。
 慎重さを心掛けた結果、投球数増につながっているのかもしれないが、来季以降を考えると、効率の良い投球を追い求めない限り、活路は開けないだろう。

失策がらみの失点が多い

 3つ目は、失策がらみの失点の多さ。
 セリーグの規定投球回数以上の投手を、失点率が大きい順に並べた。

 失点とはその投手が投げている間に失ったすべての点、自責点はそのうち投手に責任がある失点。失策が絡んだ失点は、原則として自責点にはならない。
 藤浪は自責点と失点の差が16と、セの先発投手の中で飛び抜けて多い。そのために、失点率はセでワーストの4.52になる。
 防御率3.54は、先発投手としては合格点がつけられる数字だ。一方で失点率は高い。
 つまり、たとえば野手が失策などをして、出塁を許した際に踏みとどまれないことが多いといえる。

 ドラフト施行後、高卒で新人から4年連続で2ケタ勝利を記録したのは鈴木啓示(15年連続)、森安敏明(4年連続)、江夏豊(9年連続)らがいる。高校時代、圧倒的な存在だった松坂大輔も4年目には6勝に終わった。
 そういう意味では、藤浪は傑出した存在だ。高卒投手はこの時期に壁に当たるとも言えよう。

 今季、残りの登板で2ケタ勝利を目指してほしいが、それ以上に投手として一段の進化をすることを期待したい。


広尾晃

ベースボールチャンネル編集部

最終更新:9/8(木) 17:50

ベースボールチャンネル

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