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ハリル劇場はスリル満点。W杯アジア予選は「心臓に悪い試合」が続く

webスポルティーバ 9/8(木) 11:46配信

 どんなに強気を装ってみても、旧ユーゴスラビア出身の指揮官は初戦でUAEに敗れたことに、かなりのショックを受けていたに違いない。

【写真】浅野琢磨、山口蛍、原口元気が起用されたタイ戦先発メンバー

 試合前に発表された先発メンバーを見て、そんなことを感じた。

 W杯アジア最終予選の第2戦となるアウェーのタイ戦。日本は前のUAE戦から先発メンバー3人を入れ替えた。

 FW岡崎慎司→FW浅野拓磨、MF清武弘嗣→FW原口元気、MF大島僚太→MF山口蛍。

 この先発変更にうかがえる意図は、中盤の守備のバランスを整え、そこで奪ったボールを速い攻撃につなげること。やや重心を後ろに下げ、慎重に戦おうという姿勢が見てとれた。「チームとしてどう守備をするか。中盤のバランスを意識してやった」とはDF森重真人の弁だ。

 UAE戦では、ボランチやサイドバックも加わり、人数をかけて相手を押し込んだが、ゴールはFKからのわずか1点にとどまった。そればかりか、むしろ中盤での守備がバランスを崩し、度々危ないカウンターに見舞われた。

 今回対戦したタイにしても、2トップは非常に技術が高く、カウンターの起点を作り出すことができる。ならば、むやみに前がかりになることなく、まずは中盤の守備を強化しようというわけだ。

 中盤での潰しやボール奪取に優れた山口をボランチに入れ、最前線にはスピードのある浅野を置く。現実的かつ妥当な選択をしたとも言えるし、腰が引けた弱気な選択をしたとも言える。

 その両方の見方ができることは、試合内容にもよく表れていた。中盤でのプレスは強まり、タイがカウンターに移ろうとしても、すぐに高い位置でボールを奪い返すシーンは増えた。だが、その一方でマイボールになったときに、それなりにパスはつながっていても、なかなかテンポが上がらず、リズムよく攻撃することができなかった。これは特に前半、ピッチを横に広く使い、押し込んではいるものの、1点しかゴールが奪えなかった要因である。

 結局、後半に入ると、チャンスがありながらゴールできない焦りから、攻撃が中央に偏る相変わらずの悪癖を露呈。行ったり来たりが激しい、落ち着かない試合展開に陥った。タイはUAEほど選手個々の能力が高くなかったため、大事には至らなかったが、相手関係を差し引いて評価すれば、UAE戦で見せた危うさが解消されてはいない。そう見るのが自然だ。

 これで日本は最終予選最初の2試合を終え、1勝1敗の勝ち点3。グループBで、ともに2連勝のオーストラリアとサウジアラビアに次ぐ3位につける。

 組み合わせが決まった時点で、2引き分けの勝ち点2もありうると考えていたので、現状はそれよりも勝ち点1多いが、相手に与えた勝ち点も1多い。事前に考えうる、最悪に近いスタートである。

 それでもヴァイッド・ハリルホジッチ監督は、「これから日本はより強くなってくれると思う」と、楽観的な見通しを口にする。

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最終更新:9/8(木) 11:46

webスポルティーバ

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