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【識者の眼】浅野台頭も岡崎はどっしり構えて受けて立つ――。ハリルJ、熾烈な1トップ争いの幕開け

フットボールチャンネル 9/8(木) 15:02配信

 2018ロシアW杯アジア最終予選タイ戦で先発出場し、1ゴールを奪った浅野拓磨。日本代表100キャップ以上を持つ岡崎慎司はベンチで同試合を見守ることとなったいっぽうで、欧州移籍が決まったリオ五輪代表FWが1トップ候補として台頭してきた。熾烈なFW争いが幕を開けたと言えそうだ。(取材・文:河治良幸)

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“幻のゴール”のリベンジ

 浅野拓磨のゴールが生まれたのは、日本が1点をリードして迎えた後半30分だった。タイのGKカウィンが蹴ったロングボールを吉田がジャンプヘッドで跳ね返し、原口元気と香川真司の間を抜けたボールは一度タイのDFトリスタンのもとにこぼれるが、ミスキックを長谷部誠がカットすると、バウンドした瞬間に右足で大きく蹴り出した。

 そのタイミングで縦に走り出した浅野はセンターバックのタナブーンに先回りされながらも、クリアされる瞬間に頭でマイボールにする。バランスを崩したタナブーンを振り切りGKと1対1になると、足元を狙ったシュートはカウィンの体に当たったものの、気持ちが乗り移ったかのようにゴールに吸い込まれた。

 浅野にとってはUAE戦でゴールラインを割ったはずのシュートがレフェリーに見逃された“幻のゴール”のリベンジとも言える、A代表ではキリンカップのブルガリア戦以来となる2点目。原口元気のゴールで早い時間にリードしながら、なかなか追加点を奪えないもどかしい状況にあった日本の勝利を決定付けた。

「ちょっと自分の動きとタイミングは遅れましたけど、最後の力というのは出し切って、ボールもルーズでしたし、何とか頭で触ったらマイボールにできるかなと思っていました」

岡崎の古巣からステップアップ目指す浅野

 このシーンの直前に武藤嘉紀がベンチで交替準備をしているのが見えたという浅野。先発が決まった時から「絶対にゴールを決めようと思っていた」というが、試合を通して周囲とのタイミングがなかなか合わず、特徴であるスピードを生かしきれなかった。

 この点は本人としても今後に向けた課題として捉えているようだ。実際にゴールを決めたシーンにしても、「レベルが高くなったりすると、また違う対応をされたと思う」と自覚している。

「あそこはもっとハセさん(長谷部)と合わせることができれば、もっと気持ちよく外せたかなと思います。どんな相手でも外せるタイミングを身に付けていかないといけない」

 21歳でリオ五輪を経験し、いよいよ本格的にA代表定着を狙う立場となった浅野。今夏にはイングランドのアーセナルへの移籍が決まったものの、労働ビザがおりずにドイツ2部のシュトゥットガルトに期限付き移籍することとなった。くしくも日本代表のエースである岡崎慎司が欧州初挑戦となったクラブからステップアップを目指していくことになる。

 浅野にチャンスが与えられた代わりに、岡崎は昨年11月に行われた2次予選のアウェイのシンガポール戦から8試合ぶりに出場機会が無いまま試合終了の笛を聞いた。

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最終更新:9/8(木) 16:44

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