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気になるマンション購入、シングル女性にも買い時?

NIKKEI STYLE 9/9(金) 7:00配信

 ある日、日経WOMANの編集長から怒りのメールが私に届きました。あるテレビ番組が、マンションを購入したシングル女性の例を紹介。すてきな部屋なのですが、その女性は70歳過ぎまでの住宅ローンを組んでいたそうです。番組内では「将来は貸す」「返済に困ったときのセーフティーネットは実家に帰ること」などの言葉も……。
 編集長は「住宅ローンが70歳過ぎまで続くことのリスクを説明していない。返済に困って親に頼っても、お金を失うのは同じ」と、「購入のメリット」に偏った番組構成に憤りを感じていました。
 確かに、シングル女性のマンション購入は増えている実感があります。背景にあるのは、シングルや派遣社員などにも住宅ローンを貸す銀行が少しずつ増えてきたことです。
 マンション販売会社は、こうした銀行と連携し、シングル女性向けの物件販売を強化しています。「家賃はお金を捨てるようなもの。買えば資産になる」「これで老後は安心」など、女性が買いたくなるようなセールストークも多数用意しています。
 シングル女性にマンションを買いたいと思う理由を尋ねると「このままシングルだとすると、老後に家賃を払い続けるのは不安」と言います。女性の年金額は人によって大きく異なりますが、厚生年金に加入して定年まで働き続けた場合、年140万~200万円、月12万~17万円程度。このなかから家賃を払うことを考えると不安にもなるでしょう。
 だからといって、60歳以降も返済が続くプランで住宅ローンを組むと、年金収入からローン返済をすることになりかねません。モデルルームでは「繰り上げ返済すれば大丈夫」、「最終的には退職金で一括返済」と、購入の背中を押されることが多いようです。しかし、繰り上げ返済するとその分貯蓄はできないし、多額の退職金が期待できる女性は大企業勤務など限られた人だけです。
 シングルや非正規社員の女性が、属性だけで判断されずに審査を受けられるようになるのは喜ばしいこと。でも銀行は、借りた人が数十年先まで返済できるかどうかまで審査できません。「借りることができる」は、「最後まで返済できる」とイコールではないのです。

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最終更新:9/9(金) 7:00

NIKKEI STYLE

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