ここから本文です

出版社 デジタル事業の可能性

コンフィデンス 9/10(土) 7:00配信

 創刊111年を迎えた『婦人画報』をはじめ、女性向け雑誌社の草分けとしての歴史を誇るハースト婦人画報社が、この7 月に新会社「ハースト・デジタル・ジャパン」を本格稼働。「雑誌も発行するデジタル・パブリッシャー」へと大きく舵を切った。

360°展開の一環としたイベ ント事業

 その象徴的な媒体が、オンラインメディアとして1月にローンチした日本版『コスモポリタン』だ。1886年創刊の『コスモポリタン』は、アメリカに本社を置くハーストが発行する女性ライフスタイル誌で、本国では圧倒的な知名度と読者数を誇る。また雑誌は世界83ヶ国、オンラインサイトは49ヶ国(5月現在)で展開されているグローバルメディアである。

 コンセプトは「Fun Fearless Female(楽しく大胆な女性)」。恋愛、キャリア、生き方を自ら選択し、人生を思い切り楽しみたいミレニアル世代女性がターゲットだ。

 「この世代向けのWEBメディアはどちらかというと“カワイイ志向”を反映したものが多く、それが現代の日本人女性のトレンドになっているように思います。しかし一方で、SNSのフィードバックなどからも明らかですが、当メディアが対象としている楽しく大胆な女性層は確実に存在します。彼女たちに満足していただける記事作りをするとともに、1人でも多く『コスモポリタン』的な志向を持つ女性を育んでいくのが目標です」(『コスモポリタン』編集長、白重絢子氏/以下同)

 同社では、独自に開発したCMS「MediaOS」を世界共通のプラットフォームとして使用。各国で盛り上がっている記事を編集者が瞬時にキャッチできるシステムであり、この記事が翻訳され、別の国の記事にも活用されている。日本版『コスモポリタン』は日本の同社メディアで初めてこのシステムを導入した。

 「翻訳記事は全体の4割ほど。欧米だけでなくアジアやアフリカ、中南米などの記事も掲載できるのはグローバルメディアならではの強みですね。また「MediaOS」は世界共通テンプレートで、広告フォーマットも統一されているため、クライアントにはグローバルキャンペーンが展開しやすいというメリットも提供できます」

■360°展開で老舗メディアのブランド向上を図る

 オリジナル記事で特に注力しているのが、月ごとにテーマを設けた特集だ。ここには毎月100本ほどの記事がアップされており、著名人インタビューも掲載される。

 「特集ではないのですが、ミス・ユニバース日本代表の宮本エリアナさんの連載も最近始まりました。世界で活躍している方、あるいはそれを目指している方をピックアップするのが理想です。日本版は始まったばかりですが、『コスモポリタン』は世界的ネットワークとステイタスのあるブランドです。著名人の方には世界への足がかりに当メディアをぜひ活用していただきたいですし、掲載記事を拡散するなどして、一緒に育てていただければうれしいですね」 

 同社では、WEBマガジン『エル・オンライン』、eコマースサイト『ELLE SHOP』など、これまでもデジタル事業を推進しているが、日本版『コスモポリタン』は、同社でも初のオンラインのみでスタートしたメディアだ。スタッフもIT企業でオンラインメディアの立ち上げやオンライン広告などに携わってきた白重編集長をはじめ、デジタル分野で活躍してきた人材が結集している。

 同社は現在、6年連続で増収増益を達成。そのうちデジタル事業の売上はすでに全体の3割に達しており、20年までには5割を目指す。一方で雑誌事業も引き続き進めるほか、イベントにも注力し、360度展開で各媒体のブランド力向上とロイヤリティの高いファン形成を図る。10月には19媒体合同となる同社最大級のイベント『ハースト ビューティ フェスティバル 2016』が開催予定だ。

最終更新:9/13(火) 11:11

コンフィデンス

記事提供社からのご案内(外部サイト)

コンフィデンス

oricon ME

12/5号・12/5号

5,040円(税込)

■表紙インタビュー
「ハードロックカフェ」を国内展開
清水謙氏(WDI代表取締役)
AIがどれだけ発展しても絶対にできないのが、ワクワクできる楽しい体験を提供すること

コンフィデンスの前後の記事