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福田正博が指摘。ハリルホジッチに欠けていた「代表監督に必要な資質」

webスポルティーバ 9/9(金) 20:00配信

【福田正博 フォーメーション進化論】

 日本代表はW杯アジア最終予選の初戦でUAEに1-2で逆転負け。以前からこの連載でアジアと日本のレベル差は縮まり、日本代表のアドバンテージは小さくなっていると警鐘を鳴らしていたが、不安が的中する形になってしまった。

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 ただ、多くのメディアで言われている「アジア最終予選を初戦黒星スタートの代表チームは、過去にW杯へ出場した確率0%」というデータは、今回は当てはまらないだろう。

 このデータは従来の8カ国が2グループに分かれて最終予選を戦っていた頃のもの。今回は12カ国が2グループに分かれて6カ国総当たり戦(ホーム&アウェーで10試合)のため、まだまだ挽回の余地は大きい。それだけに、2戦目にアウェーでタイに2-0で勝利できたことは大きかった。

 それでも、敗因はしっかり分析しなければならない。UAE戦の敗因は、ハリルホジッチ監督の日本サッカーの置かれた状況への理解不足にほかならない。それは試合終了の笛が鳴った後の監督の落胆ぶりが如実に物語っていた。「悪くても引き分け」くらいに高を括っていたのではないだろうか。そうでなければ、代表チームの指揮官たるもの、あれほど落ち込む姿を見せたりはしない。

 UAEとは2015年アジアカップで対戦してPK戦で敗れていたが、そのときは日本が優位に試合を進め、相手を一方的に押し込んだものだった。それもあって、ハリルホジッチ監督だけではなく、選手にも油断やスキがあったのではないか。たしかに、浅野拓磨のゴールラインを割っていたシュートは幻となり、不可解な判定もあった。しかし、それを言い訳にできないほど、日本代表はサッカーの内容そのものが悪かった。

 UAEが最終予選に向けて2カ月の合宿を張ってコンディションを整えてきたのに対し、日本代表は準備不足だったことは否めない。ここにこそ、ハリルホジッチ監督の、日本サッカーが置かれている状況への認識の甘さがあったように感じられる。

 現在の日本サッカーにとって大きなネックになっているのが、欧州から見て「極東に位置する」という地理的問題と、アジアでの戦いと、W杯での戦いで相手のレベルが異なる「ダブルスタンダード」のふたつだ。

 日本は、サッカーの本場である欧州から見て極東に位置する。そのため、ヨーロッパ組はW杯予選のたびに長い距離と時差を乗り越えての移動を強いられる。スケジュールに余裕があれば、問題はないだろうが実際は、欧州組はリーグ戦を終えてすぐに移動しなければならず、しかも代表戦の1日前や2日前にチームに合流する。そのため、どれだけ技量の高い選手であっても、それを発揮するための土台であるコンディションが、100%ではないまま代表戦に臨むという問題がある。

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最終更新:9/10(土) 17:26

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