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いつも考え過ぎて疲れる人へ。人生をすっきりさせる“ミニマル思考”とは?

ダ・ヴィンチニュース 9/9(金) 11:00配信

 筆者は今、『ミニマル思考 世界一単純な問題解決のルール』(鈴木鋭智/かんき出版)を紹介しなければならない、という問題にぶち当たっている。

 読んでみると、なるほど、わかりやすくて気づかされることが多い本だった。43の項目が立てられ、それぞれ例を挙げながら著者が勧める“ミニマル思考”がどのようなものかをコンパクトに説明する。目からウロコのおもしろい項目がある。これはぜひとも伝えておかねばと思う項目がある。だから、本稿であれもこれも説明しなければならない! すっかり頭の中はパニック状態だ。しばらく本をあちこちめくって唸り続けるのだが、どうにも進まないのでいったんひと休み。そして、時間はずるずると過ぎていく…。

 とりあえず、本書の著者、鈴木鋭智氏を紹介しよう。氏は元々大手大学受験予備校で小論文を教える講師だった。文章を書く能力より問題解決の思考力が問われるという小論文。答案を分析しているうちに、人間が陥りやすい思考の悪い癖のパターンを発見。それを“ジャンク思考”と呼んでいる。そう、まさに今の筆者の状態を指す。これに対して、頭の中からガラクタを削ぎ落とし、残った最小限の考えるべきことに集中するのが“ミニマル思考”だ。

 氏は、“ジャンク思考”として頭の中に渦巻くモノを例として次の通り挙げている。

【不愉快/不公平/非常識/面倒くさい/損失/不謹慎/被害者意識/正義感/疎外感/憶測/前例/自尊心/事故/不安/劣等感/後悔/完璧主義/理想論/民族性/過去の経緯/しがらみ/現在の事情/意識が低い/親の育て方が悪かった/ゆとり教育/倫理観の欠如/設計が悪い/心が弱い/財源不足/禁止令/罰則強化/犯人捜し/監視/既定路線/仕組みを変える/心がけよう/本末転倒/頑張れ/伝統/道徳/教育/貼紙/関係を変える/ノルマ/仇討ち】

 うん、当てはまるものがいっぱいある。ほかの執筆者の素晴らしい記事による「前例」とか、読者につまらんと鼻で笑われる「不安」とか、それでもなんとか秀作を披露せんとする「完璧主義」とか…。これらを削ぎ落とすため、氏は“ミニマル思考”の原則を3つ挙げる。

原則1 実害がないことで騒がない
 例えば、友人がボールペンを勝手に使ったら腹が立つ。だが、もし友人が財布から1万円札を勝手に抜いたとしたら、さらに突然ナイフで切りつけてきたとしたら…。説得力のある問題提起は「命かお金に関わるか」ということ。極端な話だが、日常を振り返ると切り捨ててもいい出来事がボロボロ出てきそうだ。

原則2 変えられないものを変えようとしない
 経理担当者が横領するのは、倫理観が欠如しているからか。いや、それより他人がダブルチェックをするようにすればいい。「心がけより仕組み」というわけだ。確かに、人の心を変えようとするより、ストレスを溜めることなく解決できるだろう。

原則3 もっとクールな手はないか?
 某県の小学校が学力テストの国語の成績が全国最下位になり、激怒した知事は成績の悪かった学校の校長名を公表するなどと言い出した。が、実はこの小学校があるのは自動車工場を中心とする工業地域で外国人労働者が多く、その子供たちが学校に通っているという事情があったそうだ。だから、解決するには外国人の子供たちに日本語教育の支援をするべきであり、「解決策がまずいときは原因分析・問題提起に戻る」必要があるとのこと。

 これらの原則を踏まえると、先に挙げた“ジャンク思考”から不必要なモノが消え、本当に考えるべきことが浮かび上がってくる

【損失/事故/現在の事情/設計が悪い/仕組みを変える/関係を変える】

 これですっきり、“ミニマル思考”になったはず。というわけで、冒頭の問題に戻る。筆者は本書を紹介しなければならない。たとえ余計なことを書いて炎上したとしても命までとられはしないだろう。そして、そもそも本書を取り上げたかったのは、「考えてもムダなこととは何か」を知りたかったからである。内容まるごと紹介することが目的ではなかったはずだ。よし、ミッションはクリアできたかな?

 不必要な事柄まで考え過ぎなのはたびたび指摘され、自分でもよくわかっている。でも、具体的に何をどう考え過ぎなのかをちゃんと理解できていないのだ。問題点が曖昧なままなので、いつもドツボにはまり思考回路はショート寸前である。“ミニマル思考”で人生をすっきり華麗に変身させたいものだ。

文=林らいみ

最終更新:9/9(金) 11:00

ダ・ヴィンチニュース

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