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中国のアップル離れ、iPhone 7投入でさらに悪化も

Forbes JAPAN 9/9(金) 11:00配信

中国でのアップル人気低迷は、ついに発表された「iPhone 7」をもってしても解消されない見込みだ。



中華圏(中国本土、香港、台湾)はアップルの合計出荷台数の3割を占めており、同社にとって最も重要な成長地域だ。だが、目新しさに欠けたiPhone 6Sや、華為技術(ファーウェイ)やOPPOなどの地元企業との激しい競合により、アップルはこのところ、主力製品の売り上げ不振に悩まされている。中華圏での今年度第3四半期の売り上げは、前年同期比33%減となった。

iPhone 7でなされたいくつかの仕様変更は、中国でのさらなるアップル離れにつながるだろう。特に、ヘッドホンジャックを廃し、ワイヤレスイヤホン「AirPods」の使用を推奨するという判断は、大きな反発を呼んでいる。

AirPodsは、5時間使用するごとに充電する必要がある。10月発売予定で、価格は1万6,800円。iPhone 7では、充電用ライトニングポートに接続する変換ケーブルを使えば従来のヘッドホンも引き続き使用可能だ。

アップルは、ヘッドホンジャックの廃止は「勇気」のいる判断だったとしている。他国と同じく、中国のソーシャルメディアにはすぐさま、この判断に批判的なコメントが次々と投稿された。その多くは、小さいながらも高価なAirPodsは使いづらく、紛失しやすいと指摘している。

あるユーザーは「アップルは次に、『AirPodsを探す』というアプリを作るんじゃないか。もうイヤホンを買う必要ないな。誰かが落としたAirPodsを拾えばいいんだから」とコメントした。

中国のユーザーが求めるものとは

中国のユーザーが欲しているのは、小型ワイヤレスイヤホンではない。中国のエリート層はかつて、高価なiPhoneをステータスシンボルとみなしていたが、今は華為を好むようになっている。華為のスマホは洗練されたデザインで、SIMカードスロットを2つ備え、バッテリーのもちがいい。どれも、出張や電話会議が多いエリートには重宝される機能だ。

市場調査会社カナリスのニコル・ペン調査部長は、従来のヘッドホンがアダプターを通じてしか使えないことや、頻繁な充電が必要なAirPodsが、ユーザー離れにつながるだろうと予測。iPhone 7 Plusに新たに搭載されたデュアルカメラも、華為やOPPOを含む多数の中国企業が既にカメラ性能の高い製品を投入していることから、大きな魅力にはならないという。

カナリスによると、中国における今年度第2四半期のアップル製品のシェアは、同社の最重要価格帯である500ドル以上の製品で38%と、前年同期の67%から大幅に減少した。これは、華為との競合によるところが大きいという。

さらに、アップルが中国でエコシステムを構築するために必要なサービスを展開できていないことも、同社に不利に働いていると、調査会社フォレスターのトラビス・ウー調査部長は指摘する。他国で人気の「iBook Store」や「iTunes Movie」といったサービスは中国では4月から禁止されており、その理由について当局からの説明はないままだ。

「アップルは、欧州や北米ではiTunesを使って売り上げを伸ばすことができる。だがこうした戦略は、規制リスクの高い中国では通用しない。アップルは中国でいくつかの障害に直面しており、iPhone 7をもってしてもそれは解消されない」とウーは語っている。

Yue Wang

最終更新:9/9(金) 11:00

Forbes JAPAN

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