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水道橋博士 「ダウンタウンだって通って来た道…」後輩に苦言

BEST TIMES 9/10(土) 12:00配信

若人よ、常に最敬礼するような師匠を持て! 

  オレがビートたけしに入門した当時は、お笑い界は上下関係の厳しい徒弟制度だったわけです。今とはまったく違ったんですよ、30年前は。誰かの弟子にならなければ、芸人になることなんて、まずできなかったですから。

 ダウンタウンはもう出ていたけれど、NSCだって82年に始まって、まだ3期くらいのもんでしたからね。そういう意味では、当時の芸界っていうのは誰もが踏み込めない“異界”なんですよ。結界が張られていて素人は絶対に入れない場所だったんですよ。逆に今は養成所がいっぱいあって、学校の延長上にあるんですよ。

 最近、殿(たけしさん)が、「今の若い芸人は礼儀知らず」って嘆いていましたけど、やはり、オレたちの時代とは違う部分がいっぱいあるんですよ。オレらの頃の徒弟制度と、今のスクールカーストの延長上の上下関係はまったく違いますから。

「上下関係なんて知らねえよ。ゲス? 上等だよ!」という人が若い芸人が多過ぎますね。

 そう言う価値観を見ると、自分たちの世界の掟であるとか美意識が破壊されている気がする。それは、オレが、もう年寄りだからなんですけどね……。もちろん、苦労しないで最短距離で売れたってそれは良いんですよ。この世界は能力主義だし、そういう売れ方を否定はしません。

 でも、そんな時にでも、常に最敬礼するような師匠がいれば、楽屋での態度だったり礼儀だったりっていうのはまったく違うと思うんですよ。そういうものは、無くしちゃいけないものだから、師匠っていうのは常にいるべきだと思うんですよね。

師匠がいなかったダウンタウンだって…

 そうすると、「ダウンタウンなんて師匠がいないじゃないか?」って思うかもしれないけど、彼らだってそういう世界を見てきた上での“型破り”って言われて、かつ本物の実力があった一番最初のコンビですから。そういう世界の尊さっていうのは十分分かっているんです。

 ダウンタウンは師匠につかないで、自分の城の城主になって天下を取ったんですよ。ダウンタウン城の城主、そこは師匠の位置、お殿様ですよ! ダウンタウンの下って礼儀作法にキッチリしていますよ。だからオレたち、たけし門下、たけし城の家臣は、例えばダウンタウン城に行けば殿様の松本さん、浜田さんに最敬礼しますよ。

 逆にダウンタウン城の家臣の出世頭の武将たち、例えば、今田・東野なんかでも、ぼくらに対しても敬語だし、ぼくらも彼らに敬語で接しますよ。緊張感と礼節、敬意がそこにありますもん。最近の若いコたちは、そういう事が曖昧になっちゃったなっていう感じはしますよ。

 これは芸人だけじゃなく、すべてのジャンルにいえることですけどね。オレたちのような“保守”と“革新”=若い世代の間では、必ず起きる“イマドキの若いもんは!!”問題だとは思うんだけど、芸界の美しい伝統は浪漫だから残していきたいですよね。それを守ったうえで、新しい型破り、破天荒なのを見つければいいんですよ。たけしさんだって、そういう風な天下人なんだもの。

 

構成:安田真悟/ 写真:花井智子

最終更新:9/10(土) 12:00

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