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来年から“ほぼ全員”加入対象に、個人型確定拠出年金のメリットとは

オトナンサー 9/10(土) 11:00配信

 2017年1月から現役世代のほぼ全員が利用できるようになる個人型確定拠出年金(個人型DC)。法改正によって主婦や公務員、勤務先に企業年金がある会社員の計約2600万人が新たにその加入対象者となります。

 実はこれまで個人型DCは、掛け金が全額所得控除対象になるなどのメリットがあるにもかかわらず、利用実績は低調にとどまっていました。この個人型DCはそもそもどのような制度で、どんなメリットがあるのでしょうか。

 ファイナンシャルプランナー(FP)の加藤圭祐さんと考えます。

運用先を自由に選択、掛け金は全額控除対象

 これまで、個人型DCに加入できる人は自営業者や勤務先に企業年金がない会社員などに限られ、勤務先に企業年金がある会社員や公務員、主婦などは利用することができませんでした。

 個人型DCの最大の特徴は自分で金融機関(銀行・証券・保険など)や掛け金の運用先を選択し、その運用成績によって、将来受け取れる年金額が変動する点とされます。さらに掛け金の全額が所得税と住民税の控除対象になるメリットもあります。

 例えば、課税所得400万円の会社員が個人型DCの掛け金上限である年27万6000円(月2万3000円)を拠出した場合、5万5200円が節税できる計算です。さらに、運用期間中に発生する運用益は非課税で、60歳から受け取れる老齢給付金が優遇税制の対象になる点も魅力と言われています。

 今回の法改正を踏まえた、職業ごとの掛け金の年間拠出上限額は以下の通りです。

◯自営業者:81万6000円(月6万8000円)
◯勤務先に企業年金がない会社員:27万6000円(月2万3000円)
◯勤務先に企業型確定拠出年金がある会社員:24万円(月2万円)
◯勤務先に企業年金がある会社員:14万4000円(月1万2000円)
◯公務員:14万4000円(月1万2000円)
◯主婦:27万6000円(月2万3000円)

投信に近く「結果は自己責任」

 節税や老後の資産形成などにメリットがある個人型DCですが、厚生労働省などによると現在、4000万人近くが個人型DCを利用できる一方、実際の利用者は約21万人(2015年3月現在)にとどまるといいます。つまり利用率は1%にも満たないのです。

 利用が低調にとどまる理由について、あおばコンサルティング代表でファイナンシャルプランナー(FP)の加藤圭祐さんは「そもそも、個人型DCは従来の国民年金基金や小規模企業共済に比べて知名度が低いです。国民年金基金も個人型DCも、国民年金基金連合会が運営していますが国民年金基金に手いっぱいで個人型DCに手が回っていない印象です」と話します。

 さらに加藤さんは「個人型DCは運用先を自分で選ばなければならず、結果は自己責任のため、元本保証好きの日本人気質から『よくわからない』と敬遠される傾向にあります」と指摘します。

 では法改正をきっかけに利用者増加は見込まれるのでしょうか。加藤さんは「利用対象が拡大され、節税効果も大きいので裾野は間違いなく広がるでしょう」とした上で、こうアドバイスしています。

「個人型DCは投資信託に近く結果は自己責任。管理手数料や信託報酬も必要になります。手数料ひとつにしても金融機関によって大きな差があり、運用期間も長いため、これらのコストもバカになりません。老後資産を形成するための大事な運用なのである程度は自分で勉強して投資方針を決定し、人任せにしないことが大切です」

オトナンサー編集部

最終更新:9/10(土) 11:22

オトナンサー