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W杯に挑むフットサルベトナム代表。同国”フットサルの父”の存在。積極投資で急成長

フットボールチャンネル 9/10(土) 9:00配信

9月10日からフットサルワールドカップがコロンビアで開幕する。日本代表は予選で敗れたが、その日本に勝って初出場を決めたのがベトナム代表。「ベトナムフットサルの父」と呼ばれる人物の下、クラブ一体の強化によって急成長を遂げた。目標のベスト8進出に向け、不屈の精神で戦う。(取材・文:宇佐美淳【ホーチミン】)

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“ベトナムフットサルの父”による投資

 ベトナム代表が初出場するFIFAフットサルワールドカップ2016がいよいよ9月10日にコロンビアで開幕する。スペイン人のブルーノ・ガルシア・フォルモソ監督が就任して3年。着実にステップアップしてきた現代表チームにとって、今大会はまさに集大成となる。

 近年、急成長を遂げたベトナムのフットサルだが、その歴史を語るうえで、欠かせない人物がいる。国内初のプロフットサルクラブ「タイソンナム」のオーナーにして、ホーチミン市サッカー連盟(HFF)の会長も務めるチャン・アイン・トゥ氏(53歳)。「ベトナムフットサルの父」と言ってもいい人物である。

 トゥ氏は、電気機器の輸入・販売を手掛けるタイソンナム貿易会社の社長。同社は現在、多くのサッカーとフットサルの大会で冠スポンサーを務めているため、その名を耳にする機会は多い。同社にはもともと社会人サッカークラブがあったが、2007年に既存のクラブからフットサルチームを独立させて、フットサルクラブとしては国内初となるプロ化を決定した。

 海外から選手や指導者を招いたり、国内初のフットサル専用練習場を建設したりするなど、ハード・ソフト両面で積極的な投資を行い、数年の間にチームを国内最強のフットサルクラブに成長させた。現在は、トップチーム、セカンドチーム、ユースチーム、北部の姉妹クラブであるタイソンバクが活動している。

急成長したベトナムフットサル代表

 タイソンナムには、Fリーグファンにはお馴染みのセルジオ・ガルジェッリ監督、畠山ブルノ選手、稲葉洸太郎選手が在籍していたことから、日本のフットサルファンの中にも名前を知っている人がいるかもしれない。現在のフットサルベトナム代表は、メンバーの大半がタイソンナムの選手。さらには、監督、コーチ陣もすべて同クラブのスタッフであるため、「タイソンナム=ベトナム代表」と言っても過言ではない。

 国内では、向かうところ敵なしのタイソンナムはこれまで、ベトナムフットサル選手権で最多5度の王者に輝いており、フォルモソ監督を招聘して2年目となる昨年のAFCフットサルクラブ選手権2015では、ウズベキスタン代表アルトゥール・ユヌソフと元スペイン代表サウル・オルモ・カンパーニャを補強し、イラクやカタールなどの中東の強豪を破って3位入賞という快挙を達成している。

 そんなタイソンナムが主軸となる現フットサルベトナム代表もクラブの成長と比例するように、国際大会で目覚ましい成績を残していき、自国開催した国際トーナメントでは、ブラジルを破るという大金星を挙げたこともある。東南アジアの雄、タイの後塵を拝することが多いとはいえ、ASEAN屈指の強豪といえるレベルに達しており、フットサルに対する国民の関心も以前とは比べ物にならないほど高くなった。

 ベトナムは、今年2月にウズベキスタンで開催されたAFC フットサル選手権2016(兼FIFAフットサルワールドカップ2016予選)で、歴代最強と謳われた日本代表をPK戦の末に下してベスト4に進出し、悲願のワールドカップ初出場を決めた。

 試合後のロッカールームでは、全精力を使い果たした選手たちが次々と失神したという。何度リードを奪っても諦めずに喰らいついてくるベトナムの驚異的な粘り強さは、この試合を観た日本のファンに強烈なインパクトを残したに違いない。

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最終更新:9/10(土) 9:04

フットボールチャンネル

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