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ブルース・スプリングスティーン、喉の手術、うつ、新作について語る

ローリングストーン日本版 9/10(土) 16:00配信

スプリングスティーンは、自伝の出版を前に父親とのこじれた関係や家族の心の病について打ち明けた。

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ブルース・スプリングスティーンはヴァニティ・フェア誌のインタビューで、自身のうつ、父親とのこじれた関係、"神経がすり減る"喉の手術、そして新作について詳しく語った。

この巻頭の特集記事は、スプリングスティーンの自伝『ボーン・トゥ・ラン ブルース・スプリングスティーン自伝』の出版に先立って組まれたものだ。スプリングスティーンはこの自伝が、「過去を振り返って、自分の苦労や課題のルーツを探り、自分たちで始めたショーの世界に生きることを許された喜びを見つめる」きっかけになったと話している。

この66歳のミュージシャンは、自分自身のうつ病との闘いについて明かし、『ボーン・トゥ・ラン』では、60歳から64歳のあいだに断続的に彼の人生を覆った暗黒期について書いている。「この本で言いたかったことの1つは、誰であろうと、どこにいようと、うつ病はそいつを放っておいてくれないってことなんだよ」とスプリングスティーンは言う。「よくうつ病を車に例えるんだ。自分自身のすべてがその車に乗っている。そして新しい自分は乗り込んでくるが、古い自分は降りられない。大事なことは、その時々にどの自分がハンドルを握っているかってことなんだ」。

同様に、スプリングスティーンは、自身の臨床的うつ病との付き合いの難しさと、彼の父親であるダグ・スプリングスティーンと同じように苦しむのではないかという恐れとの格闘についても明らかにした。スプリングスティーンは、彼の父親について、飲酒で高校を退学し、定職に就かず、息子とは対立するか全く寄せ付けなかった、「ブコウスキーの小説の登場人物のようだった」と述べている。

父親から「愛している」とはっきり言われたことは一度もなかった

「病気の原因はわからない」とスプリングスティーンは家族の心の病について語っている。「自分で思っていた以上に父親に似てきたからといって、それで病気になるのか?」

『ボーン・トゥ・ラン』には、スプリングスティーンと父親とが和解に近づく瞬間についても描かれているが、父親から「愛している」とはっきり言われたことは一度もなかったとスプリングスティーンは認めている。「一番ましなのが、"愛してるよ、父さん"、"ああ、俺もだ"、なんだ。脳卒中の後、呻くときでも、"俺もだ"としか言わなかった。もう声を出せなくなりそうなときでも、親父は"愛してる"とは言えなかったんだ」。

今も続く心の病との闘いの中、そして、ツアーとライヴ・ショー・マラソンへの異常なほどの没頭のさなかに、スプリングスティーンはギター演奏の妨げとなっていた左半身の慢性的な麻痺を治療する手術を3年前に受けたことを明かした。頸部椎間板の損傷が原因の症状で、医師が代わりの椎間板を挿入できるよう、スプリングスティーンの喉を切開して声帯を一時的に横に固定したという。術後3ヶ月間、彼は歌うことができなかった。

「あれには、神経がすり減ったよ」とスプリングスティーンは手術について語っている。「だけど、俺はその後ずっと具合が良いんだ」。

こうした手術にもかかわらず、スプリングスティーンはツアーをやめたり、作曲を休止したりするつもりはなかったと話すが、「自分のやっていることを続けるための時間は限られている」こともよく認識したと言う。最近の予定では、今月、リヴァー・ツアーを再開させ、同時に『ボーン・トゥ・ラン』の出版に合わせて数回のライヴも行う。さらに、2017年中に新作のリリースを望んでいるという。2012年の『レッキング・ボール』以来の全編新曲で構成されたLPはすでに完成しているが、ツアーと作曲に集中するために棚上げしていたと彼は言う。

「ソロのレコードで、よりシンガー・ソングライター的な要素の強いものだ」と、60年代のジミー・ウェッブとグレン・キャンベルのコラボを引き合いに出しながら彼は言う。「ポップスのレコードには、ストリングスやオーケストラをたくさん使うだろ。このレコードはそういった流れさ」。

9月27日に出版される『ボーン・トゥ・ラン』と同時に、アルバム『チャプター・アンド・ヴァース』がリリースされる。同書のテーマや章に合わせてスプリングスティーンが選んだ18曲と、未発表曲が5曲フィーチャーされている。

ブルース・スプリングスティーンは、近く出版される自伝に合わせてアルバムを企画した。未発表の5曲が目玉だ。ビデオはこちら。

Translation by Kise Imai

JON BLISTEIN

最終更新:9/10(土) 16:00

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