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宇都宮健児氏と小池百合子都知事が面談! 宇都宮氏は小池都知事をどう見たのか?

HARBOR BUSINESS Online 9/10(土) 16:20配信

 小池百合子知事は8月30日15時、都知事選告示日前日に出馬辞退をした宇都宮健児・元日弁連会長と都庁で面談をした。宇都宮氏から「当選おめでとうございます」と挨拶された小池知事は、「ありがとうございます。(選挙戦で)ご一緒できれば、もっと中身のある議論ができたんですけど」と笑顔で返答。続いて「希望のまち東京を作る会」代表として10項目にわたる「要請書」(※)を小池知事に手渡した。その会談についてどう思ったのか。会談を終えた宇都宮氏に直撃した。

◆都知事が直接会ったのは初めてで、画期的

 要請書には築地市場移転の停止も含まれており、宇都宮氏が移転停止を求めると、小池知事は「私は立ち止まって考えるという言い方をしている。8年前に出版した本の中で私のスタンスは書いていて、都知事選挙に出るから『立ち止まる』と言った訳ではない。いま精査している。何が一番いい方法なのか模索しているが、特に年末年始は一番忙しい時になるので、明確な態度を早めに出す」と話した。

 そして8月31日に緊急会見を開いて移転延期を表明したのだった。

 一方、小池知事から宇都宮氏に協力要請もあった。

「宇都宮氏はオンブズマンの経験もあり、都政の情報公開をしっかりとして疑念を明らかにしたいので協力をお願いしたい」と話したのだ。面談後、宇都宮氏は小池知事が面談に応じたことを高く評価した。

「1995年に地下鉄サリン事件が発生し、被害対策弁護団長を務めた際にも要望書を提出したことがあるが、都知事への直接の提出は実現せず、課長クラスの職員への実現にとどまった。都知事が直接会われたのは初めてで、画期的なことだ」(宇都宮氏)

◆しがらみや利権を排除していけるか

 その一方で、小池知事と一定の距離を置いて監視していく立場も強調した。

「我々の要望を受け止めて実現をされるのか。あるいは、それを実現されないのか。それについて私どもは小池知事、あるいは議会を含めてチェックしていかないといけない。もし(我々と)反対の立場を取られる場合は抗議もするし、反対の声をあげていくことになると思います。だから『都民ファースト』という言葉を知事は使っていますけれども、都民のためのことを進めるのであれば我々は賛成しますし、都民の利益にならないことをやられるのであれば反対をしていく。これが我々『希望のまち東京を作る会』のスタンスです。

 しがらみや利権を排除していけるかどうかが、小池都政の抱える問題です。徹底しようとすれば妨害や反対する人も出てきます。利権に繋がっている人、そういう風習を許して来たのは都議会と同時に都の職員にもあるんじゃないか。改革を阻む勢力と妥協したら改革は頓挫してしまう」(同)

◆是々非々で、小池都政に対応していく

 例えば、カジノについては小池知事が推進であるのに対し、宇都宮氏は反対している。「カジノを小池知事が推進していることについてはどう思われますか」と聞くと、宇都宮氏はこう答えた。

「カジノは、ずっと私は反対してきています。私自身は多重債務者の救済活動をずっとやってきて、我々の団体も反対してきた。日本は、ギャンブル依存症が深刻な問題になっていますから、これ以上、ギャンブルの場を広げていくというのは非常に問題があるということで反対ですし、NHKでの(カジノ推進の)知事の発言は知らなかったのですが、もしカジノを進めるのであれば、反対の声を上げていく必要があると思います」(同)

 宇都宮氏の立場は「小池知事が都民のための改革の立場を貫けば、意見交換などで協力はするが、“守旧派”と妥協したりカジノ推進をしたりすることがあれば、反対する」ということ。今後も是々非々で都知事や都議会を監視していくということだ。

※<要請書の項目>

(1)都政改革本部は情報公開を徹底する

(2)築地市場から豊洲市場への移転をいったん停止し、市場で働く関係者を含めた協議の場を早急に求める

(3)東京メトロ銀座線青山一丁目駅で視覚障害者の男性が線路に転落し、電車にひかれて亡くなった事故を受け、各鉄道会社にホームドアをつけるよう指導する

(4)福島第1原発事故の被害を受け都内へ避難している方々の声を聞き、避難者が希望すれば現在の住居に住み続けるようにし、都営住宅への入居優先枠拡大

(5)「待機児童ゼロ」は必要な予算をかけて着実に実施

(6)子どもの貧困解決に向け、都独自の給付型奨学金の拡充の速やかな検討、実施と、義務教育段階の給食などの教育費無償化を進める

(7)羽田空港増便により、都心部を航空機が低空飛行する問題については騒音、落下物、事故などの危険性への不安が出ている。危険性と不安払拭のための具体的措置を執るよう国側と交渉すること

(8)米軍横田基地へのオスプレイの、17年からの配備に反対すること

(9)都が整備を進めようとしている都市計画道路のうち、住民から強い反対や疑義が示されている建設計画はいったん凍結し、住民の理解を得ること

(10)福島第1原発事故から5年が経過した現在も、都立公園や都内各学校の放射能の除染、測定について不安を訴えている人が多いので、しっかり対応を進めてほしい

取材・文・撮影/横田 一(ジャーナリスト。小泉純一郎元首相の「原発ゼロ」に関する主張をまとめた新刊『黙って寝てはいられない』<小泉純一郎/談、吉原毅/編>に編集協力)

ハーバー・ビジネス・オンライン

最終更新:9/10(土) 18:54

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