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京大卒の国連エリート、キャリアを捨てなぜアジアの貧困の島へ?

NIKKEI STYLE 9/11(日) 7:00配信

 世界最大の群島国家インドネシア。人口2億4000万人のアジアの新興国として台頭するが、離島の農村部には電気や上下水道が整備されているところはまだほとんどない。この国をベースに地球規模で貧困地域の支援活動に取り組んでいるのがNPO(非営利組織)「コペルニク」最高経営責任者(CEO)の中村俊裕さんだ。京都大学卒、英名門大の大学院を修了後、マッキンゼーから国連へ。華麗なる経歴のエリートはなぜ熱帯の島で貧困支援のリーダーになったのか。

■巨大組織は小回りがきかない

 「巨大組織は小回りがきかないし、物事を決めるのに時間がかかりますから」。中村さんは屈託のない表情でそう笑う。2012年まで国連開発計画(UNDP)のメンバーとしてインドネシアや東ティモール、西アフリカのシエラレオネなどで災害復興策や平和構築事業などに従事、現地政府の閣僚クラスを相手に現場で活躍した。「国連は報酬もいいし、休暇も十分にあった」という。しかし、従来と変わらない国連の援助方式に疑問がわいた。柔軟性やスピードに欠けているように思えた。
 2000年初頭、IT(情報技術)が勃興するなか、グローバル・ギビングやキヴァなどインターネットを活用した革新的なサービスを展開するNPOが次々誕生した。グローバル・ギビングは貧困や環境の問題などに取り組む寄付サイトを核にした組織。キヴァはネットを活用し、小口融資などマイクロファイナンスを実施する米国発のNPOだ。中村さんは「地殻変動が起きている。新たなテクノジーを利用すれば、自らの手でより迅速に効果的な貧困支援に取り組めるのではと考えた」という。
 支援の手が貧困層に届く『ラストマイル』に壁がある。国連や政府など巨大組織ではうまい具合に届きづらいという。国連から中央政府、州、自治体と調整する間に時間だけがすぎてゆく。自らがNPOを発足し、企業などの開発者、資金を寄付する支援者の3者をインターネットで結び付けることで、「ラストマイルを克服して、現地で継続利用が可能なシンプルな技術を必要としている人に素早く安価に届けよう」と決意した。

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最終更新:9/11(日) 7:00

NIKKEI STYLE

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