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いつの時代も威厳の象徴!? 江戸時代ハゲ事情と育毛術

BEST TIMES 9/11(日) 12:00配信

 

 増毛法や植毛、最新のカツラなどハゲ隠しを自然にすることができる世の中になったが、なぜハゲていることを知られたくないのだろうか。

 こうした髪の毛の問題は、日本だけではなかったようだ。西洋ではハーブを塗ることがよいとされ、古代ギリシャでは、玉ねぎとハチミツで作った汁を育毛剤にしていたそうだ。古代ローマでも、鳩の糞や山羊の尿をすり込むという手法がとられていた。また、エジプトのピラミッドからはカツラも出土している。いつの時代も男たちは抜け毛予防に必死だったようだ。

 髪の毛がなくなった恥ずかしさ、あるいは老けて見られてしまうなど理由はさまざまだが、江戸時代は今と比べて、もっと深刻だったようだ。力士は髷が結えなくなると引退しなければならない話は割と知られているものだが、そこにこの話のルーツがあった。

 

 当時の武士たちの髪型は、いわゆるちょんまげ。今でこそコントなどのカツラで見かけるが、これを結うことこそ男の身だしなみでありシンボルだったという。髪の量が減ると髷が結えなくなり、とくに武家社会では隠居生活が待っていたのだ。隠居とはすなわち、家長からの引退であり、その一切の権力を跡継ぎに譲ること。つまり、これまで自分が主体となった家風を退き、一切の口出しをせず老後を過ごすだけの人生になってしまったのだ。髷の結い方は、髪の毛を強く引っ張りまとめあげるため、とても毛根に負担がかかる。そのため抜け毛は、武士にとって深刻な問題だったのだ。

 自身の進退問題になりかねない抜け毛、当然、育毛法や抜け毛防止の対策をすることになる。彼らは切なくもいとおかしい方法で、自分の権力を守ろうと必死になったそうだ。

 当然、毛生え薬というものが流行することになった。蜜柑や柚子を原料としたもので、ビタミンCが多く含まれていたと想像される。おそらく、毛の艶がよくなることから、そのような利用方法が広がったのだろう。

 なかには、今の常識では考えられない方法もあった。江戸時代に発行された「都風俗化粧惇」によれば、ハゲたところを松の葉でこすり血を出し、そこにコウモリの黒焼きを胡麻の脂でといたものを塗るというのだ。もはやまじないレベルの話だが、それでも男たちは、髪の毛を欲したという証拠だろう。

 

 いずれにしても、この日本でハゲを隠したがる風潮というものは、もしかすると引退という強迫観念がDNAにすり込まれているのかもしれない。

 

文/OFFICE-SANGA

最終更新:9/11(日) 12:00

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