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【ロードバイク情報】石畳のスペシャリスト「スペシャライズド・ルーベ」がモデルチェンジ!

CYCLE SPORTS.jp 9/11(日) 8:48配信

エンデュランスロードの突然変異

各ジャンルのロードバイクが目まぐるしく変化するなか、エンデュランスロードの突然変異と表現したくなる一台がデビューした。6月上旬のベルギーはコルトレイクにてジャーナリストにお披露目されたその一台とは、スペシャライズドの新型ルーベである。

前作SL4はフレームサイズごとにフォーク下ワン径を変えるという完璧主義的設計によって極上のバランスを備えていた。それはエンデュランスロードの一つの完成形だったのだが、新型の秘密は全く違う場所にある。フォークコラムの中である。

従来のエンデュランスロードのフロントセクションは、フォークのエンド部が前後にしなることによって快適性を得ていた(ほぼ全てのロードバイクはこの衝撃吸収システムを採用しているのだが)。しかし、それでは段差を乗り越える度にホイールが斜め前方に向かって動くため、推進力を妨げる力がかかり、スピードが殺がれてしまう。新型ルーベが採用したのはヘッドチューブ軸方向に伸縮する衝撃吸収システムである。そうすれば衝撃をいなしつつ推進力の損失を最小限に抑えることができる。

しかしMTBのようにフォークにサスペンションを設けたのではない。新型ルーベはステムの下、フォークコラムの中にサスを仕込んだのだ。フューチャーショックと名付けられたこの緩衝装置によってフロント側の衝撃吸収能力は劇的に向上、ルーベSL4比で40倍にもなったのだという。

リヤセクションの快適性も向上しているが、その手法は新鮮味のあるものではない。シートクランプ位置を下げ(シートポストをクランプしているのはシートチューブとトップチューブとの交点ではなくシートチューブとシートステーの交点)、シートポストの出代を確保することで快適性を確保するという、ありふれた、しかし理にかなった設計である。

そこに刺さるシートポストは先代ルーベで採用されたCGRシートポスト。これらの工夫により、リヤの快適性はSL4比で19%アップしたという。なお、ブレーキはディスクのみ。新型ルーベは“ディスク専用設計モデル”として誕生したのだ。

凝りに凝ったフューチャーショックとシートポスト周り以外は、あっさりまとめたという印象だ。フォーク、ダウンチューブ、チェーンステーなどはターマックに似たシンプルな形状で、剛性を重視した設計。高剛性フレームからハンドルとサドルを切り離し、ライダーをフワリと浮かせたままキビキビと走る。これが新型ルーベのやり方である。従来のエンデュランスロードとは異なり、新型ルーベの開発目標の中枢にあるものは、“快適性”ではなく“スピード”なのだ。

事実、プレゼンテーションやインタビューに快適性という単語はほとんど登場しなかった。強調されたのは「スピードのため」「パフォーマンスを上げるため」という、およそエンデュランスロードとは思えないストイックな目標だった。これまでのエンデュランスロードの安穏とした雰囲気は皆無。これはのんびりと走る極楽快適自転車ではない。硬派なラフロード・レーサーなのである。

安井行生

最終更新:9/11(日) 8:48

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