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高畑裕太さん不起訴は「妥当」だったか? --- 田中 紀子

アゴラ 9/11(日) 7:10配信

昨日、高畑裕太さんが不起訴処分とされたというニュースが、報道されてかなり驚きました。

もちろん量刑には「何をやったか?」「示談が成立したか?」といったことが重要なわけですから、事件の真相を知らない我々部外者がとやかく言うことはできません。

しかしながら、高畑さんの弁護人も、高畑さん側の話しか聞いていないにもかかわらず、
「合意があるものと思っていた可能性が高く」「事実はなかったと考えている」
とまるで被害者女性の側に落ち度があったようなコメントを一方的に発表しており、有名人という立場を利用し被害者女性を貶める、これこそまさにセカンドレイプではないかと憤りを感じます。

“高畑裕太さん釈放後の弁護士コメントは、被害者女性を傷つけてはいないか?(Yahoo個人)(http://bylines.news.yahoo.co.jp/sendayuki/20160910-00062041/)”

そして何よりもこの「不起訴」という判断は、刑の是非よりも、高畑さんのためにどうだったのか?
という疑問が残ります。

弁護人は「無罪請負人」の異名をとる、弘中弁護士がつとめたそうですから
“「無罪請負人」弘中弁護士(スポニチ)(http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160910-00000001-spnannex-ent)”
これは交友関係の広い、お母様の伝手で判断されたことかな?とも思います。

そもそも、留置場に入っている本人が、弁護士情報を調べて、誰にするか?
などと検討することなどできないでしょうから、
やはりお母様や、事務所のサポートがあってのことと思われます。

何としても軽い量刑を勝ち取ってやりたい!
身内の人たちの心情としては充分理解できます。
けれども、問題は高畑容疑者がこれからどうやって生きて行くか?
ではないでしょうか?

私は、せめて起訴され、執行猶予付きの有罪判決になったほうが、彼のためにも、また再起を図るためにもずっと良かったと思っています。

彼は、これだけの著名人でありながら、性衝動の「欲求が抑えられなかった」と供述したわけです。
彼の立場を考えれば、それがどれだけ強い欲求であったのかは想像に難くありません。
ですから人を傷つけてまで、自分の衝動を押し通してしまう、この強い欲求に対する、なんらかの治療が必要と考えられます。

仮に執行猶予期間中であれば、本人にとって良い抑止力になり、また治療に向き合える最大のチャンスとなったはずです。

今回の弁護士発表を見る限り、周囲の方々が「高畑さんこそ被害者」「高畑さんは無罪だ」という風に弁護を方向づけており、これは、ご本人のためには、決して良かったとは考えられません。
最初の頃の供述と、かなり食い違ってきています。

依存症の場合もそうですが、周囲の方々は、本人を守ろうと、本人の優位になるよう働きかけるのではなく、本人を厳しい愛で見守り、一時的には、どん底に落ちるように見守った方がよいのです。

それはもちろん家族にとって辛い選択です。
けれども痛みのトンネルをくぐり抜けなければ、真の再生はないのです。

そして、そこからどう本人の再起に繋げるか?
これは、安易な方法では見つかりません。
長年のサポートや、本人や家族の懸命な努力が必要です。

今回のように、本人の診察や再発防止も検討されないまま、示談さえ取り付ければ、早急に不起訴とされてしまうことは、ご本人の今後を考えた上でも、また、ご家族の今後の対応のあり方を考えた上でも、性暴力の再発防止を考えた上でも本当にこれでよいのか?大いに疑問です。

高畑淳子さん、今が最大のターニングポイントです。

ここで、息子をかばい立てせず、厳しい態度で臨み、まずは診察や、治療に向かわせるべきです。
まちがっても自分の付き人にして、道をつけてやろう・・・
などという安易な選択をしてはいけません。

そして何よりも、有名人側からの一方的な声明発表で、これ以上、性暴力被害にあった女性たちが傷つき貶められることがないよう、心から祈っております。

編集部より:この記事は、一般社団法人「ギャンブル依存症問題を考える会」代表、田中紀子氏のブログ「in a family way」の2016年9月10日の記事を転載しました(画像はNHKニュースより引用。見出しの一部をアゴラ編集部で改稿)。オリジナル原稿をお読みになりたい方は「in a family way」をご覧ください。

田中 紀子

最終更新:9/11(日) 7:10

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