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91年V戦士が語る、カープ優勝を 決定づけた黒田・新井と若手の関係

webスポルティーバ 9/11(日) 15:30配信

「前回優勝の91年を振り返ると、やっぱり津田恒美のことを思い出します。病と闘う彼に、優勝の報告をしよう、優勝旅行に連れていってやろう……。みんなその気持ちでまとまって、9月に首位に立っての優勝。あの年、僕は選手会長だったんですけど、本当に特別な優勝でした」

■史上2人目となる日米通算200勝を達成した黒田博樹

 そう言って、25年前の記憶をたどったのは山崎隆造氏だ。80年代から90年代にかけて走攻守揃ったプレーヤーとしてチームを支えた。引退後は一軍コーチ、二軍監督を長らく務め、現在は放送席からカープの戦いを見つめている。

 山崎氏にあらためて今年のカープの強さを聞くと、こんな答えが返ってきた。

「今年のカープは、投手力の充実はもちろんですが、打線は久しぶりに打順を固定できた。特に1~3番は不動で、これによって攻撃の形ができ、落ち着いて試合をすることができました」

 1番・田中広輔、2番・菊池涼介、3番・丸佳浩。今季優勝決定までに、この3人のうちスタメンを外れたことがあるのは菊池のみで、それも2試合だけ。他球団との差は歴然で、残りの5球団のなかで1~3番の定着率が高い巨人やヤクルトでさえも、24人を起用した。

「なかでも田中の存在が大きい。緒方(孝市)監督もキャンプ、オープン戦の中盤まで1番を決めきれていなかったのですが、そこに田中が定着できたことが大きい」

 オープン戦序盤は、2年目の野間峻祥(のま・たかよし)を積極的に試し、菊池を入れたこともあった。当初、田中は5~8番を打っていたが、オープン戦中盤あたりから1番を任されると、期待に応え、不動の1番となった。

「田中と話をしたとき、本人が1番に対する意欲をすごく持っていました。走塁に関しても、決して足のスペシャリストではないけど、意欲的に取り組み、30個近い盗塁を決めた。そのあとを打つ”キクマル”コンビも今季は好調を維持。上位の3人が揃ったことが大きかったですね」

 現役時代は自らもその役にあった山崎氏は、攻撃の流れをつくる1、2番の重要性を熟知している。スピード感のある3人を上位打順に配した結果、盗塁数は9月10日の時点でリーグトップの109個(2位のヤクルトに35個差)を記録している。山崎氏は言う。

「今年のカープの攻撃を見ていると、相手が最も嫌がる1、3塁のケースが本当に多かった。この3人が今年のカープ打線を象徴していると言っても過言ではありません」

 続けて山崎氏が挙げたのは、ふたりのベテランだ。現在40歳の黒田博樹と39歳の新井貴浩。この投打の太くて強い柱が、今シーズンのカープを語る上で欠くことはできないと、山崎氏は言う。

「このふたりがチームの中心にしっかり立っているから、若手や中堅の選手がノビノビと自分の仕事ができる。手本となり、頼れるベテランがいることは、チームに有形無形の力を与えてくれます」

 では、具体的にどのような効果があったのか?

「投手でいうと、若い選手は勝つために常に100の力を出して完璧を求めようとする。でも、状態のいいときばかりではありません。そのなかでどう試合と向き合い、戦っていくのか。こういったところを若い投手たちは、黒田を見て学んだのではないでしょうか」

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最終更新:9/12(月) 12:26

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