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映画『聲の形』―京アニ制作、障害を越えた人間関係を描く青春群像劇

ローリングストーン日本版 9/11(日) 17:00配信

小学6年生の石田将也(CV:松岡茉優)は、先天性の聴覚障害を抱えた転校生・西宮硝子(CV:早見沙織)に対し、好奇心から執拗に絡み続ける。度を越したやり取りの結果、周囲から孤立して行ってしまう将也。やがて硝子は転校。二人は離れ離れになってしまう。

【動画・写真あり】映画『聲の形』―京アニ制作、障害を越えた人間関係を描く青春群像劇

5年後、高校生になった将也(CV:入野自由)は、誰とも打ち解けない人間になっていた。そんな矢先、将也は硝子と再会。彼女に思いを告げ、あらためて二人は友達になろうと約束する。それをきっかけに二人は、距離を置いていた元同級生たちとも関係をやり直すために動きはじめるのだが・・・。

"京アニ"の通称で知られ、充実した作品作りで定評のある京都アニメーションが、大今良時の手塚治虫文化賞受賞作を劇場アニメ化。聴覚障害を扱ってはいるものの、本作のテーマはそこにとどまらない。人と人とのコミュニケーションがいかに難しく、どれだけさまざまな要素によって成り立っているか。監督の山田尚子はその点を丁寧な描写で丹念に描く。多感な時期にあたる高校生たちは、些細な言葉や行動で簡単に傷つき、喜び、人を裏切り、信じ、心を開く。傍から見れば何でもないことが、人と人との繋がりにとって重要な要素となっていく様子はアニメとは思えないほどにリアルだ。

繊細で心に痛い青春映画

映画では原作にある細かいエピソードがいくつか省かれているが、その分"コミュニケーションの重要性"というエッセンスは凝縮されている。喜びや嬉しさだけではなく、痛みや悲しみも含めて、登場人物たちの心の動きが手に取るように伝わってくる繊細で心に痛い青春映画だ。

『けいおん!』などを手掛けた山田尚子監督はお得意の手腕で、日常の中にある当たり前な出来事を、見事に考えさせられる"シーン"として展開させてみせる。人の顔の上に×印が付くことで、相手と理解し合えない様子を描く場面は特に秀逸。


映画『聲の形』
9月17日(土)より、新宿ピカデリーほか全国ロードショー
http://koenokatachi-movie.com/

Keiichiro Oshima

最終更新:9/11(日) 17:00

ローリングストーン日本版

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