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消える爆買い、それでも稼ぐインバウンド銘柄とは? 

会社四季報オンライン 9/11(日) 20:16配信

 訪日外国人観光客(インバウンド)の人数は堅調に増え続けるものの、“爆買い”が鳴りを潜めた今、関連銘柄の株価は冴えない。

 次ページ表はかつて関連銘柄として注目を集めた会社から、時価総額1000億~6000億円の銘柄を抽出し、年初来高値を起点に株価の下落率が大きい順に並べたものだ。

 1位にはカシオ計算機 <6952> 、4位にはシチズンホールディングス <7762> と腕時計メーカーが上位にランクインした。円高による海外収益悪化も嫌気され、売りが際立っている。

 シチズンの時計事業は、2016年4~6月期(第1四半期)に前年同期比で13.4%の減収となっている。同社は決算資料で「国内市場がインバウンド需要の落ち込みで苦戦した」と説明。時価総額でランキングの対象外となった業界首位のセイコーホールディングス <8050> も、1月4日の大発会でつけた702円から56.4%の下落率と、株価は低迷ぎみだ。

 ほかには、5位のロート製薬 <4527> や19位のマツモトキヨシホールディングス <3088> など、訪日客が口コミで広めた生活用品のメーカーや小売りの銘柄が冴えない。7月の家計調査で実質消費支出が5カ月連続で落ち込んでおり、拡大余地のあるインバウンドに頼る構図が続く。空港の国際線ロビーに土産品を置くなど取り込みに心血を注ぐ。

■ 爆買いの次に来るもの

 下落率30%以上の銘柄には、宝飾品の売り上げ増で潤った百貨店が4社入った。日本百貨店協会が発表した7月の免税売上高は前年同月比79%で4カ月連続の前年割れ。1人当たり購買単価は5.2万円と約3割落ち込んだ。

 ただ、株価の反応は一様ではない。13位に入った高島屋 <8233> の7月の免税販売額は「化粧品などが好調に推移し、前年比2.6%増」と健闘。17年春には、新宿の巨大バスターミナルに隣接する新宿店に巨大な免税専門店を合弁で開業するなど、各方面からインバウンド需要取り込みに注力している。こうした施策が評価され、同業大手より下落率は穏やかだ。

 8位の丸井グループ <8252> はアニメオタク対象の販促イベントを武器にする。34位のぐるなび <2440> も、4月にインバウンド向け観光情報サービスを立ち上げ、有望視されている。“爆買い”再来ではなく、アイデアで取り込みを狙う会社に注目するとよいだろう。

※当記事は、証券投資一般に関する情報の提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。

古庄 英一

最終更新:9/11(日) 20:16

会社四季報オンライン