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マグロの乱獲規制を訴え続けていた松方弘樹「政治的関係で巻き網漁が放置されているのはおかしい」

週刊SPA! 9/11(日) 16:20配信

 これまで産卵マグロ群を一網打尽にする巻き網漁の「乱獲規制」を訴えてきた俳優の松方弘樹氏。だが、今夏も鳥取県境港を拠点とする巻き網漁は繰り返された。氏にインタビューを申し込んだものの、ガンで闘病中のため面会謝絶とのことで、直接話を聞くことはかなわなかった。しかし、松方氏の「マグロを守ってくれ」という思いは並々ならぬものがあったのだ。

◆政治的関係で巻き網が放置されるのはフェアではない

 産卵期のマグロは市場価値が低く、巻き網船にとっては「夏場の小遣い稼ぎ」にすぎない。「それなのに、将来のマグロ資源を食いつぶす『巻き網漁』に厳しい規制はかからなかったのです」(水産資源問題に詳しい勝川俊雄・東京海洋大学教授)。

 産卵期のマグロ漁獲開始は境港の水揚量増加をもたらした。それまで年間500t程度であったが、’04年に1700tに急増、その後は2000t前後で推移した。

 巻き網漁の影響は周辺海域にはっきりと表れたようだ。

「見島周辺で漁をしてきましたが、以前は巨大マグロだけでなく、20~100kgのマグロも獲れていました。しかしソナーなど最新設備を搭載した巻き網船が産卵中の魚まで根こそぎ獲るようになり、’01年には小型魚が激減し、大型魚も年々減っていきました。あと2年もすれば、完全に獲れなくなってしまうでしょう」(松方氏の一本釣りの師匠だった佐々木敦司氏)

「境港を拠点とする巻き網漁への規制は自主規制のままで、いまだに甘い状態が続いています。クロマグロの危機的状況や規制強化の必要性をずっと訴えてきましたが、状況は今も変わっていない。国際的には常識の『予防原則』に立って規制強化をするべきだが、日本はそうなっていないのです」(勝川氏)

 こうした事態に対し、松方氏はかつてこのように語っていた。

「竿とリールを使った一本釣りは、十分に大きく育った高付加価値のマグロだけを獲る。マグロの漁獲量を減らさない効果があり、水産資源を守ることができる漁なのです。持続可能な漁をしている自負がある一本釣りの漁民が、乱獲の規制を求めるのは自然の流れといえるのです」

 松方氏の師匠、佐々木氏はこうした事態に対し、安倍首相を始めとする政治家たちに訴えたことがある。

「以前、安倍元首相の事務所に巻き網漁の規制について相談したのですが、具体化しませんでした。調べてみると、後援会幹部が巻き網漁をしていました。また見島周辺の巻き網船の操業規制について、萩市長や地元選出の河村建夫衆院議員(山口3区)にお願いしましたが、状況は変わらない。地元の巻き網船業者に配慮をしたためとしか思えません。水産庁が巻き網漁の規制をしないのは、有力者が背後にいることを気にしているのでしょう」(佐々木氏)

 これを聞いた松方氏は「そうした政治的関係で巻き網船が放置されているのは、フェアではない。巻き網船に巨額の資本を投下しているとしても、乱獲を厳しく規制すべきです」と賛同した。

 現在、病床で必死に病魔と闘っている松方氏。一本釣りに再び出られる日が来ることを夢見ているに違いない。一刻も早く松方氏が退院し、「マグロを守れ!」と再び世間に訴えてくれる日が来ることを祈るばかりだ。

取材・文/横田 一

― 闘病中の松方弘樹が訴える「マグロを守ってくれ……」 ―

日刊SPA!

最終更新:9/11(日) 16:20

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