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パタゴニア本社を擁するサーフタウン ベンチュラの飾らない魅力とは?

CREA WEB 9/11(日) 12:01配信

#106 Venturaベンチュラ(アメリカ)
木造の長い長い桟橋がトレードマーク

 ロサンゼルスから国道101号線を北西へ、ドライブすること約1時間10分。カリフォルニアの中でもハードコアなサーファーが多いサーフタウン、ベンチュラへ。

 メインビーチは約1.6キロの大きな弧を描くピアポント・ベイ。このビーチのアイコンは、名前にも掲げている、長い木造の桟橋です。もともとは1872年に建造されたものですが、嵐や水害で破損し、度重なる再建を経て2000年に現状となりました。

 このビーチには「Cストリート」という人気サーフスポットがあります。

 北からうねりが入ると、波に長く乗っていられる“ロングライド”ができるため、ロングボードやショートボードも、スタンドアップパドルサーフィンも、あらゆるサーファーが共存して楽しんでいます。しかも、ゆったりと乗れるので、通常は安定感のあるロングボードが主流のシニア層でも、ショートボーダーを多くみかけます。

 ベンチュラで育ち、表舞台で活躍しているプロサーファーも多く、サーフィン界のカリスマ、デーン・レイノルズもベンチュラ在住。桟橋のたもと近くの波がお気に入りだとか。

パタゴニアの経営哲学を綴った本の題名は?

 ワシントンヤシで縁取られた海辺の駐車場は、朝と夕方、サーファーの車で賑わいます。

 SUVやセダンからボードをするすると取り出し、顔見知り同士で会話を交わしながら海へ入る準備をする彼ら。夏でも水温が低い海域なのでウェットスーツはフルスーツ、しかもみんな黒いゴム製なのが、いかにも硬派な感じです。

 アウトドア用品のトップブランド、パタゴニアの本社があるのも、ベンチュラのダウンタウンから少し離れた場所です。世界各地に展開しているパタゴニアですが、小さなベンチュラの本社に企画から宣伝、縫製工場までを集約。敷地内には前身の掘っ立て小屋のようなウェアハウスも残されています。

 登山家のための用具からスタートし、スノーボードやサーフィン、トレイルランニングなどへ発展。自然を相手にするスポーツ分野の企業として、環境保護や地域貢献の意識が高く、製品を通してその重要性を伝え、売上から環境保護団体への寄付を行い、還元していく。“言うは易し、行うは難し”な企業理念を実践している会社です。

 パタゴニアを訪れたのは、金曜日の夕方。ホームページに掲載されている営業時間内なのに、なぜか会社はがらんと無人状態。後でパタゴニアの創業者が経営論を綴った本が『社員をサーフィンに行かせよう』というタイトルであることを知り、「さては……」と納得した次第です。

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最終更新:9/11(日) 12:01

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