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元ヤンキーもあぜん ホンダ創業者の「やんちゃぶり」 2階から芸者ほうり投げ…

NIKKEI STYLE 9/12(月) 7:00配信

 1956年から60年以上続く日本経済新聞朝刊文化面のコラム「私の履歴書」は、時代を代表する著名人が1カ月の連載で半生を語る。かつて書かれた「私の履歴書」を若い世代が読んだら、響く言葉はあるのだろうか。今回は1962年に掲載したホンダ創業者の本田宗一郎さんの「私の履歴書」を、「元ヤンキー」で米国の名門カリフォルニア大学バークレー校を卒業した鈴木琢也さんに読んでもらった。
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【本田宗一郎 ほんだ・そういちろう】

1906年静岡県、鍛冶職人の家庭に生まれる。22年小学校高等科を卒業、自動車修理工場で見習工として働く。46年本田技術研究所設立、48年本田技研工業(ホンダ)設立、社長に就任し、一代で世界有数の自動車メーカーに育て上げた。73年に社長退任、91年に84歳で死去。

【鈴木琢也 すずき・たくや】

1986年川崎市生まれ。中学生のころ、素行が荒れ暴力を繰り返す不良少年、いわゆる「ヤンキー」の仲間入り。高卒でとび職になる。その後、IT系資格を取得して上場企業に転職。さらに一念発起し、2013年にカリフォルニア大学バークレー校へ進学。15年卒業、人材育成支援のグロービス(東京・千代田)入社。マネジメントスクールの運営などを担当。著書に「バカヤンキーでも死ぬ気でやれば世界の名門大学で戦える。」(ポプラ社)がある。

■受け入れてくれたのが、不良コミュニティーだった

――私の履歴書から 大正3年(1914年)の秋、私が小学校2年のときだった。約20キロほど離れた浜松の歩兵連隊に飛行機が来て飛んでみせるという話を聞いた。私はそれまで飛行機というものを絵では見ていたが、実物はまだ見たことがなかった。なんとかして見たいものといろいろ考えたすえ、父にせがんだところでどうせ許してもらえないと思った私は、その数日前、家族の目を盗んで「金2銭也」をせしめ、軍資金を準備した。(本田宗一郎「私の履歴書」第1回)
 本田さんの履歴書を読んで一番思ったのは、「わんぱくな少年だったのだな」ということです。「飛行機がくるから」と学校をさぼって自転車で飛び出してしまうところなど、「本当に思いが強い人なのだな」と感じました。私も、もし本田さんと同じ時代に生きていたら近いことをするかもしれません。本田さんのような少年と一緒に遊んでいるタイプだったと思います。
 私は小学校では友達をうまくつくれませんでした。私がわんぱくすぎて、他の子供たちはおとなしい子が多かったからです。なかなか友達ができず、次第に内向的になっていきました。でも、本音では友達がほしかったのです。
 そんな中で「ありのままのやんちゃな自分」を受け入れてくれたのは不良コミュニティーでした。中学生になって加わりました。そこでは何かしでかすと、「お前やるな!」といった反応がすぐにかえってきます。そして、不思議な絆が生まれるのです。
 とはいっても中学生のやることなんて、たかが知れています。髪を染め、タバコを吸って、イキがって誰かにけんかを売るなどです。当時はイキがっていることが楽しかったし、何よりも自分のキャラが確立することで、仲間ができることがうれしかったのです。
――私の履歴書から だが芸者相手にいま考えるとぞっとするようなたいへんなことを仕出かしたこともある。浜松では毎年5月に「たこ祭り」が行われるが、そのお祭りの日に私は友人と2人で料理屋で芸者相手に飲めや歌えの大騒ぎをしたことがある。芸者もこっちも相当酔っぱらっていたが、そのうちに芸者がちょっとなまいきなことを言った。われわれ2人はそれをとがめて「このなまいきやろう」と芸者を料亭の2階から外へほうり投げてしまった。その瞬間、パッと火花が飛んだ。(本田宗一郎「私の履歴書」第6回)

 それにしても本田さんのやんちゃぶりはすごいですね。この時代は許容範囲が広かったのでしょうか。
 幸いなことに芸者さんは無事で、「いまだに頭があがらない」と本田さんも履歴書の中で語っていましたが、私の不良時代は「これくらいやるとこれだけやり返される」というボーダーラインが常にありました。
 「2階から人を投げちゃったら死んでしまうかもしれない」という感覚を超えてしまった本田さんというのは「ちょっと発想が違うな」と思います。「ぶっ飛んでいる」とでもいうのでしょうか。
 私もけんかで顔面を殴りつけたり、デッキブラシで殴られたりすることはありましたが「この辺を殴ったらここ折れるよね」とかは分かっていたつもりです。本田さんが人を投げたエピソードは「ここまでやったらちょっとまずいでしょ」と思いながら読みました。

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最終更新:9/12(月) 7:00

NIKKEI STYLE

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