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変革を起こすリーダーに求められるもの――三越伊勢丹の事例から考える(三越伊勢丹 大西氏×早稲田 入山氏)【HRC2016春】

日本の人事部 9/12(月) 7:30配信

経営環境が激しく変化する中、多くの企業に変革が求められている。変革を起こすためにリーダーには何が求められるのか。本セッションでは、社長就任以来、人事制度改革を含め、数々の変革を実現してきた三越伊勢丹ホールディングスの大西氏と、世界最先端の経営学の知見を持つ、早稲田大学ビジネススクール准教授の入山氏が登壇。大西氏の経営者としてのリーダーシップを入山氏がひも解いていった。

大西氏によるプレゼンテーション:「周囲の反対の中でやり切るからこそ変革」

大西氏によるプレゼンテーションから、セッションはスタート。大西氏はまず、イノベーションとは何かについて語りはじめた。

「イノベーションとは、『多くの人がやらないこと』『多くの人が反対すること』だと思います。経営会議で8割、9割の人が賛成するような案は、おそらくイノベーションではない。特に当社は極めてコンサバな会社ですから、10人に1人が言った反対意見のほうが、結果的にイノベーションにつながるかもしれない。私は目先のことではなく、少なくとも5年先ぐらいを見た時に、今ないものは何だろうかと常に考えています。その中で、結果的に自分たちにしかできないことは何かを考える。イノベーションとは、そういうものではないでしょうか」

次にイノベーションの一例として、2003年に伊勢丹メンズ館をリモデルしたときの話を語った。当時、大西氏は紳士服部門でナンバー2の部長。紳士服はずっと売り上げが落ち込んでいて、百貨店として紳士服に投資をすることはあり得ない状態だった。そこで大西氏は「社長にストーリーをつくって提案しなければ、リモデルは承諾されない」と考え、仮説づくりに着手する。

「英国にエドワードグリーンという紳士靴のブランドがあります。当時日本にはほとんど入っておらず、世界でも1万足しかつくらないメーカーで、値段は1足20万円以上と高価でした。3、4年現地に行って交渉しても、なかなか扱わせてくれなかったのですが、それでも粘り強く交渉し、許可を得ました。そして、この商品を1週間だけ販売することができたのです。高価な靴ですから、10足、20足売れればいいと思っていました。しかし、100足も売れたのです。男性がファッションに愛着を持つマーケットがあるとわかりました」

この話を伝えた瞬間に当時の武藤社長は興味を持ってくれた、と大西氏は語る。それはなぜか。この事例は新しい顧客像が創造できていたからだ。靴以外のアイテムでも2、3年トライアルを行い、メンズ館のリモデルを提案する。

「A4の紙1枚の書類を作って、メンバー3人で社長のところに行きました。すると社長は『君らは覚悟ができているのか』と言いました。心づもりはできていたので『できています』と答えると、あとは全部任せてくれました。その後、婦人靴でも同様のトライアルを行いました。自分たちで全部リスクを背負って、自ら靴を作るというSPA事業を行いました。ここでも、予想以上に売れたのです」

大西氏は、周囲の反対があって、そのうえでやり切るからこそイノベーションなのだと語る。

「やはり、覚悟、コミットメントがないと、周囲も認めてくれないのではないでしょうか」

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最終更新:9/12(月) 7:30

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