ここから本文です

「モーレツ社員」は否定されるべきか。 (後藤和也 産業カウンセラー/キャリアコンサルタント)

シェアーズカフェ・オンライン 9/12(月) 5:57配信

安倍総理自らが、我が国の働き方改革に強い意欲を示している。

■モーレツ社員を否定する?!

長時間労働を自慢する社会を変える。かつての『モーレツ社員』、そういう考え方が否定される日本にしたい」政府は2日、内閣官房に「働き方改革実現推進室」を設置。長時間労働や非正規雇用、同一労働同一賃金など労働環境に直結するテーマを扱う方針
テレ朝news「“働き方”モーレツ社員否定 働く人の考え方中心に」2016/09/02

「モーレツ社員が否定される日本にしたい」という、端的かつ非常に強いメッセージである。

■首相の発言に対するリアクション
この首相の発言に対し、賛否は両論である。米国の大学教員であるWilly氏は「「皆で同じ価値観を持って働きましょう。価値観に合わない人はみんなで後ろ指さしましょう。」という村社会のルールで人を動かそうとしているところが古い」「いつの時代もモーレツに働く一部の社員が会社や社会を豊かにしてきた。

そういうモーレツ社員を、会社はそれに見合う報酬を払うことによって報いるべきだし、他の社員は尊重する社会にしなければならない。」と指摘する。そして「「モーレツ社員がかっこいい社会」の次に来るべきものは、「各自が周囲を気にせず思うように働く社会」であって、「モーレツ社員がかっこ悪い社会」でもなければ「ゆったり働く社員がかっこいい社会」でもない。」と主張している(BLOGOS「モーレツに働くとカッコワルイのか?」2016/09/05)。

上記の指摘は示唆に富むものだ。しかし、日々労働に勤しむ立場から言えば、疑問を呈せずにはいられない。以下の点である。

第1には、現状において、上記の「モーレツ社員」には、自発的にモーレツな働き方を選択している(選択できる)社員もいれば、モーレツな働き方しか選択できない、いわゆる過重労働を強いられている社員もいる、ということだ。論点は働き方に裁量があり、選択の余地があるかという点につき、それらに欠けるならば、モーレツ社員は社畜とも奴隷社員とも換言できよう。

ブラック企業問題が指摘され久しいが、ブラック企業では、まさにモーレツな働き方を選択せざるをえない。その他の働き方など、選択肢としてあり得ないのだ。Willy氏のいう「モーレツに働く一部の社員」は、労働に見合った処遇や評価がなされるだろうが、ブラック企業の社員たちは、自分たちが使いつぶされるのを待つのみである。こうした極端に悪化している職場環境を改善するには、国がイニシアチブを発揮し、強い方向性を示すといことは、一定の合理性があるだろう。

「村社会のルール」と揶揄するならば、我が国ではブラックなムラが乱立しており、ムラ内において「年次有給休暇をとるとはけしからん」「残業しないで帰るなんて自分勝手」等の価値観が強制されているのが現状だ。これらの極論に対しては、毒を以て毒を制すというスタンスの、極論にも似たメッセージが必要なのではないか。

1/2ページ

最終更新:9/12(月) 5:57

シェアーズカフェ・オンライン

記事提供社からのご案内(外部サイト)

シェアーズカフェ・オンライン(SCOL)

シェアーズカフェ株式会社

SCOLはマネー・ビジネス・ライフプランの
情報を専門家が発信するメディアです。
現在書き手を募集しています。特に士業や
大学教授、専門家を歓迎します。

TEDカンファレンスのプレゼンテーション動画

北朝鮮からの脱出
北朝鮮での幼少時代、『ここは地球上最高の国』と信じていたイ・ヒョンソだったが、90年代の大飢饉に接してその考えに疑問を抱き始める。14歳で脱北、その後中国で素性を隠しながらの生活が始まる。 これは、必死で毎日を生き延びてきた彼女の悲惨な日々とその先に見えた希望の物語。そして、北朝鮮から遠く離れても、なお常に危険に脅かされ続ける同朋達への力強いメッセージが込められている。