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日本人でただひとり。リオパラを支えるゴールボールのレフェリー

webスポルティーバ 9/12(月) 11:42配信

 1チーム3人の選手同士がアイシェードを着け、鈴の入ったボールを投球して得点を競い合う視覚障がい者によるゴールボール。リオパラリンピックでも連日多くの観客が会場に詰め掛ける人気競技だ。

【写真】ゴールボール日本代表のキャプテン・浦田理恵。感覚を研ぎ澄まし、全身を使ってゴールを守る

 そのコートに今、ひとりの日本人が立っている。

 新居平康(にい よしのり)さん。ゴールボールのレフェリーだ。昨年5月、全世界で約300人いる審判員の中から、リオパラリンピックに参加する精鋭12人のひとりに選ばれた。アジア人としては唯一の参加となっている。競技初日の現地時間8日、女子予選リーグのオーストラリア対中国戦ではファーサイドレフェリー(副審)を務め、冷静に仕事をこなした。

 審判は、テーブルサイドレフェリー(主審)とファーサイドレフェリー(副審)、10秒レフェリー、ゴールジャッジなどから構成され、それぞれに役割が決まっている。新居さんがこの日担当したファーサイドレフェリーは、観客の歓声など会場のノイズをコントロールしたり、選手のアイシェードや靴などの着用チェックをしたり、選手交代のアナウンスをしたりと、その内容は幅広い。

 レフェリーをする中で特に心掛けていることは、「アウト」「ゴール」といったコールの声は大きくクリアに、笛もはっきりと大きく吹くこと。「視覚障がい者競技のゴールボールにおいて、これがレフェリーの基本です。審判として裁くというより、見えていない選手にプレーの結果をしっかりとフィードバックする感じです」と新居さん。

 音が頼りの競技であるため、プレー中は観客も静寂を守らなければならない。開始時にはレフェリーが「クワイエット・プリーズ」とコールするのだが、ブラジル戦では選手が投球するたびに観客が大声援を送り、ボールの中の鈴の音がかき消されて選手らが困惑する場面が見受けられた。こうした事態に対応するため、初日の夜に審判団による緊急ミーティングが開かれたという。「これまでもノイズが多い大会はありましたが、今回は注意を促してもなかなかやまない。そういったところをコントロールすることが課題にあがっています」と新居さんは話す。

 大学卒業後に、視覚障がい者のための総合福祉施設・京都ライトハウスに入職。1年目に障害者スポーツセンターで行なわれた体験会に参加し、ゴールボールと出会った。思いっきり全身を使うスポーツとしての迫力、緻密な戦略を駆使する高い競技性、全盲や弱視の優劣がないことに魅力を感じ、のめり込んでいった。

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最終更新:9/12(月) 11:42

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