ここから本文です

アップルには「メリットしかない」Apple Payの日本対応

Forbes JAPAN 9/12(月) 10:14配信

日本のモバイルユーザーらは10年以上の長きにわたり、モバイル決済に親しんできたが、アップルは今になってようやくこの市場に参加しようとしている。10月7日からiPhone7シリーズとアップルウォッチ2がSuicaのプリペイドカードに対応する。これにより日常のあらゆる買い物がアップルのデバイスで可能になると、アップルはアナウンスした。



日本ではフィーチャーフォンが全盛だった2004年以来、あらゆるものが携帯端末で購入可能で、一部の人は財布を持たずに外出していたほどだ。アップルはこのトレンドにようやく追いつこうとしている。

しかし、そもそも何故アップルはこの動きを開始したのか。その理由の第一に挙げられるのが、世界のスマートフォン市場で、アップルがサムスンや中国ブランドのシェアを奪われていることだ。アップルが日本で決済分野の対応を広げることで、iPhone 7の売上を後押ししたい狙いがあるのだ。

「日本には成熟したモバイル決済文化があり、アップルが同社のサービスを日本向けに適応させることは理にかなっている」と調査企業HISテクノロジーのジャック・ケントは述べる。「アップルにとって、ユーザーらの取り込みはさほど難しいことではありません」

2011年のアクセンチュアの報告によると、日本のモバイルユーザーの33%が携帯電話での決済を利用したことがあり、47%がモバイル決済に好感を持っている。この数字はヨーロッパや米国以上だ。日本のモバイル決済市場は、2004年に主要キャリアのNTTドコモがモバイルFeliCaを交通機関用に導入した頃から開花した。

市場調査企業Strategy Analyticsは2016年の末までに、約3,200万人のスマートフォンユーザーが非接触型のモバイル決済を利用し、決済金額は153億ドルに及ぶと予測する。決済ボリュームは2021年までに現状の倍に達すると見込まれるが、Strategy Analyticsはアップルペイの登場によりさらにこの金額は増加すると見ている。

第2の要因として、日本では他の諸国に比べアップルが競合のアンドロイドよりも優位な点だ。アップルペイは技術的にも強固な決済手段であり、iPhoneが決済情報を読み取り、決済情報を送信する。「アップルペイはユーザーにとって初期設定が簡単で、指紋認証システムも搭載しているため安心して使い始められる点もメリットになります」とStrategy Analyticsの担当者は述べる。

最後に挙げられるのが、この分野に遅れて参入することが、アップルにとってメリットとなる点だ。日本ではすでにモバイル決済の仕組みが確立されており、アップルは既存の金融期間と面倒な交渉をする必要もなく、ユーザーにその便利さを説明する必要も無い。既に他国で実績をあげたアップルペイの日本市場への参入はスムーズに行くだろう。

日本市場への参入がアップルに利益をもたらすことは確実だ。アップルがアップルペイを日本市場に適合させることは、非常に理にかなった選択といえるだろう。

Ralph Jennings

最終更新:9/12(月) 10:14

Forbes JAPAN

記事提供社からのご案内(外部サイト)

Forbes JAPAN 2017年1月号

株式会社アトミックスメディア

2017年1月号
11月25日(金)発売

890円(税込)

Forbes ID 無料会員登録を受付中!
今ならもれなく電子版最新号をプレゼント

TEDカンファレンスのプレゼンテーション動画

北朝鮮からの脱出
北朝鮮での幼少時代、『ここは地球上最高の国』と信じていたイ・ヒョンソだったが、90年代の大飢饉に接してその考えに疑問を抱き始める。14歳で脱北、その後中国で素性を隠しながらの生活が始まる。 これは、必死で毎日を生き延びてきた彼女の悲惨な日々とその先に見えた希望の物語。そして、北朝鮮から遠く離れても、なお常に危険に脅かされ続ける同朋達への力強いメッセージが込められている。