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小売業界、いよいよ最終戦争に突入か

JBpress 9/12(月) 6:10配信

 セブン&アイ・ホールディングスが傘下の大型スーパー「イトーヨーカドー」の店舗閉鎖を加速させる一方、コンビニの「セブン-イレブン」はこれまで手つかずだった沖縄への大量出店を決めた。

 一方、コンビニ業界3位のファミリーマートはサークルKサンクスと経営統合し、ファミリーマートにブランドを統一する。

 小売店業界では何が起こっているのだろうか。

■ 大型店の不振は今に始まったことではない

 セブンは同社の祖業でもあるイトーヨーカドーの店舗閉鎖を加速させている。同社は2016年度中に20店舗、2020年度までに合計40店舗を閉鎖する計画を打ち出しており、4月には北千住店を、8月には戸越店を閉鎖した。今後も計画にしたがって次々と店舗閉鎖が行われる可能性が高い。

 イトーヨーカドーがこれだけのリストラ対象となっている理由は、同部門の業績悪化が著しいからである。イトーヨーカドーの売上高は過去5年間で約6%減少しているのだが、内実はもっと苦しい。この数字には専門店からのテナント収入が含まれており、同社が直接扱う商品の売上高はさらに落ち込みが激しいからだ。

 同じ期間で衣料品の売上高は約22%減、住居関連は約18%減、大きな変動がないといわれる食品ですら約7%も減少している。

 売上高が減ってくると、売上高の維持が最優先事項となり、利益率や在庫管理が後回しになってしまう。実際、イトーヨーカドーでは商品の利益率低下と在庫の拡大が同時に進んでおり、このままでは負のスパイラルに陥る可能性が高い。そのような状況になる前に、不採算店舗を閉鎖しておこうというのが一連のリストラの狙いである。

 ただこうした状況はとりあえずの対応策に過ぎない。同店の売上高減少は特定の理由があるわけではなく、複合的かつ構造的な問題に起因している。

 郊外にある大型店舗の売上高が減少しているのはイトーヨーカドーだけの話ではなく、大型店中心のイオンでは以前から売上低迷に悩まされてきた。セブンにはコンビニという孝行息子がいた分、イトーヨーカドーの不振が表面化しなかっただけである。

■ 人口減少と地域集約化でコンビニ依存が高まる

 大型店不振の背景には日本の人口減少があるといわれる。もっとも日本の人口が減っているといっても、過去5年間で0.6%ほど減少したに過ぎず、実はそれほど大きな数字ではない。だが、人口減少の背景には少子高齢化という問題が存在しており、わずかな人口の減少であっても、人口動態には極めて大きな影響を及ぼすことになる。

 日本の労働力人口はほぼ横ばいの状況が続いているが、若い世代の労働力人口は急激に減少している。25歳から29歳の労働力人口は過去5年間で約8.4%、30歳から34歳までは約8.2%、35歳から39歳に至っては11.4%も減少した。働き盛りの世代は、より良い条件を求めて転居する傾向が強く、都市部への移動が進んでいる。郊外の大型小売店はこうした影響をモロに受けている可能性が高い。

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最終更新:9/12(月) 6:10

JBpress

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