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恋愛低体温女子:最後に勝つのは恋愛下手?“恋愛”はどこまで女を変えるのか

東京カレンダー 9/12(月) 5:20配信

前回までのあらすじ

「コミュニケーション能力に長けた恋愛上手のほうが恋愛下手より仕事ができる可能性が高い」

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この説を全否定する神崎真理子(29)は自身が憧れだったブランド『M classe』で働く新人プレス。そして彼女は自ら積極的に人を好きになった経験に乏しい、自他共に認める“恋愛低体温女子”でもあった。

だが、ひょんなことから同じ会社でパタンナーをしている一ノ瀬大知(29)へ好意を持つようになると同時に、上司である二階堂隼人(35)からも恋愛感情をほのめかされる。

しかし、一ノ瀬と交際を望む肉食女子の竹下みちる(27)に想いは妨害され、同じプレス職で友達でもある長倉怜奈(29)に励まされるものの……。

前回vol.5:腹黒なライバル女に妨害される淡い恋心と、ある人からの意外な告白!?

一ノ瀬とみちる、ふたりが一緒にいる光景を目撃するだけですんでよかった……と真理子は安堵しながらストア業務をこなした。

というのも偶然か必然か、直後に客が押し寄せ、店長の真理子はふたりにかまっているどころではなくなったからだ。気づけばふたりはいなかった。

ただあの瞬間、自覚した。
――わたし、自分が思ってる以上に一ノ瀬さんのこと好きだったんだ。でも、どうしたらいいの……?

自分がどれほど相手を想っているかなんて、きっと今日みたいなハプニングがなければ解らなかったはず。相手への想いを計測できる機械があればいいのに。でも計測できたとして、数値がマックスだったらわたし、自分から動いていたのだろうか?

違う、それでもきっと指をくわえて見ていただけだったかもしれない。

過去の恋愛で相手からアプローチされるまで黙って動かない姿勢を貫いてきた真理子は、自主的に動くことすらできない自身の恋愛体質にとことん落胆した。

恋愛低体温女子の特徴3
好きだと自覚するも、その後の行動をどのようにとっていいか解らず、自己嫌悪に陥る

しかし、そんな表情を仕事中に出すわけにはいかず、作り笑顔で業務を終えて従業員用出口を出て帰宅しようとすると、驚くべき人間が出口付近に立っていた。

「一ノ瀬さん……!」目が合うと近づいてきて、話しかけられる。

「今日、忙しそうで話す時間がなかったからここで待ってたんです」

何時に出てくるか解らない自分を待っていてくれた?どうして?みちるちゃんはどうしたんですか?という言葉を真理子は口から出せない。

「お待たせして申し訳ありませんでした。でも、わたしには話すことはありませんから」

――違うよ。こんなふうに冷たく突き放したいんじゃない。もしかしてわたし、本音ではふたりが一緒にいたのを見て拗ねてた!?

実は自分がいじけているんだと解ったのに、なぜか急ぎ足になってしまう。その歩調に合わせ、一ノ瀬が右横に並びついてくる。

「神崎さん、怒ってます?」

「別に怒ってません」

――って、こんな仏頂面してたら勘違いされるの当然だよね。でも、みちるちゃんとの関係、どうやって聞けばいいかわからない。

「いや、怒ってるでしょう?今日、竹下さんと一緒に行くなんて伝えてなかったのにふたりだったし――」

「……」

――そう、聞きたいのはそこなんです!一ノ瀬さんはみちるちゃんといま、どういう関係なんですか?「またデートしよう」ってわたしに言ったあの言葉は嘘だったんですか?

思い切って聞きたいのに、素直に聞けない。裏腹すぎる自分にやきもきしていると、一ノ瀬が真理子の手首をつかんで立ち止まらせた。

「お願いだから今日のこと、説明させてください」

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最終更新:9/12(月) 5:20

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