ここから本文です

「荷受代行」バイトに注意…知らぬ間に格安SIM詐欺に

NIKKEI STYLE 9/13(火) 7:00配信

 販売店に足を運ばなくてもインターネットで契約でき、実物も宅配便で自宅に届く。そんな格安SIMを自分の名義で契約されてしまったという相談が相次いでいるという。「知らないうちに格安スマホや格安SIMが契約されていた」というのだが……。

■荷物を転送するとお金がもらえる?

 独立行政法人国民生活センターが、「『荷受代行』・『荷物転送』アルバイトにご注意!」という注意喚起を行っている。「自宅に届いた荷物を指定の住所に着払いで転送するだけで、1回数千円の報酬が得られる」というアルバイトを始めたところ、知らないうちに自分名義の格安スマホや格安SIMが契約されていた……という事例が、全国の消費生活センターに寄せられているという。

 同様の注意喚起は、一般社団法人日本インターネットプロバイダー協会からも発表されている。「荷物転送のアルバイト」と「格安スマホ・格安SIM」には何の関連性もなさそうに思えるのだが、いったい何が起きているのだろうか。

■格安スマホが勝手に契約されていた

 国民生活センターの発表によれば、こうしたアルバイトは主にSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)を通じて募集が行われている。仕事の依頼者が提示した「荷物を送るだけで1回数千円の報酬が得られる」という魅力的な条件に興味を持ち、アルバイトを申し込むと、氏名・生年月日・連絡先・報酬の振込先口座といった情報の他に、運転免許証や健康保険証といった身分証明書の画像を送るように求められる。

 このとき伝えられたアルバイト希望者の個人情報をもとにして、依頼者を装った何者かが格安スマホや格安SIMを勝手に契約しているというのだ。

 その背景には格安スマホ・格安SIMの利便性が関係している。

■24時間、いつでも自宅から申し込めるというメリットを逆手に

 格安スマホ・格安SIMを提供する通信会社では、大手の通信会社のような店舗網を構えていないところも多い。そのため、新規契約の手続きはウェブサイトからの申し込みが主流だ。24時間いつでも自宅から申し込めるのが、格安スマホや格安SIMの利便性の一つと言える。

 ところが、今回注意喚起された事例では、このメリットが悪用されていた。

 携帯電話の犯罪利用を防止するため2005年に制定された「携帯電話不正利用防止法」に基づき、携帯電話の契約時には本人確認のために身分証明書を提示しなければならない。格安スマホや格安SIMも同様で、オンラインで契約を申し込む場合、申し込み専用のフォームに個人情報を入力し、最後にデジタルカメラやスマホで撮影した身分証明書の画像をアップロードする流れとなる。

 つまり、オンラインから格安スマホや格安SIMの契約を申し込む場合には、身分証明書の画像さえ手に入れば、別人になりすまして契約ができてしまうのだ。

 ただ、オンラインで申し込んだ場合、端末やSIMカードの送付先は契約時の住所に限られる。例えば、格安SIMサービスの「U-mobile」を提供するU-NEXTでは、「本人確認書類で証明された住所以外に(SIMカードや端末を)届けないことで、悪用を防ぐ」ため、送付先を契約時の住所に限定している。このことが、格安スマホや格安SIMの不正入手を試みる上で、最大かつ最後の障壁となっているわけだ。

 しかし、「荷物転送のアルバイト」を装うことで、この壁も崩されてしまった。通信会社からの荷物を転送するように指示すれば、格安スマホや格安SIMの入った荷物を、そうとは知られずに別の住所へ送ることができる。

1/2ページ

最終更新:9/13(火) 7:00

NIKKEI STYLE

記事提供社からのご案内(外部サイト)

ライフスタイルに知的な刺激を。
生活情報から仕事、家計管理まで幅広く掲載
トレンド情報や役立つノウハウも提供します
幅広い読者の知的関心にこたえます。

Yahoo!ニュースからのお知らせ