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大食い客ばかりでもビュッフェ式レストランが潰れないワケ

Wedge 9/13(火) 12:20配信

 ビュッフェのレストランは、食欲に自信のある客ばかり集まって来るのに、どうして潰れないのでしょうか? 今回は、普通の店とビュッフェのレストランを比べてみることで、企業がどのように利益を稼いでいるのか、見ていきましょう。

店の最大のメリットは効率化

 ビュッフェのレストランというのは、店の真ん中に食べ物が置いてあり、客が好きなものを好きなだけ取って食べる店のことです。食欲の乏しい客は来てくれず、食欲旺盛な客ばかり集まり、3000円払って4000円分の料理を食べて帰るわけです。客は大満足ですが、店にとっても大きなメリットがあるのです。

 第一のメリットは、料理方法です。普通の店では注文を受けてから一人分ずつ作りますが、ブッフェ店では数十人分の料理をまとめて作ります。料理は、一人分を作るのと数十人分を作るので、手間が数十倍かかるわけではありませんから、ブッフェ店はコックの作業効率が高いのです。大企業が中小企業より儲かる理由の一つとして、生産規模が大きいために生産効率が良い、という事が挙げられます。「規模の経済」あるいは「スケールメリット」と言われるものです。ブッフェ店は、大企業でなくともこのメリットが享受できるわけです。

 今ひとつ、普通の店が注文を受けてから作るのに対して、ビュッフェ店は朝から料理を作る事ができます。レストランは昼食時と夕食時に来店客が集中しますから、普通の店のコックは忙しい時間とヒマな時間がありますが、ビュッフェ店のコックは一日中忙しく働くことができるわけです。コックに給料を払う以上、稼働率を高めることが利益への道ですから、これは大きなメリットなのです。

 これを逆から見ると、普通の店では昼食時と夕食時にコックが料理できる客数だけしか受け入れられないのに、ビュッフェ店ではそれを上回る客を受け入れることができる、ということになります。普通の店ではコックの調理能力がボトルネックになっている(そこさえ改善されれば利益が増えるという場所)になっているのが、ビュッフェ店ではボトルネックが解消されているというわけです。

 効率化という点では、客が自分で取って食べるので、給仕が不要である、という点も重要です。それ以上に重要なのは、客が店に入ってすぐに食べ始めるので、客の回転率が高いという事が挙げられます。同じ席数の店ならば、回転率を高めて多くの客に来てもらうことが重要だからです。

 客室回転率を考える際に今ひとつ重要なことは、客の満足度です。いくらボトルネックが無くても客が来なければ回転率は上がりませんから。その点、ビュッフェ店は客にとって「お得感」があるので、集客が楽だ、という点も重要でしょうね。

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最終更新:9/13(火) 12:20

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