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モジュラースマホ「Project Ara」の死と、グーグルの憂鬱

WIRED.jp 9/13(火) 11:33配信

「Project Ara」はもう終わりかもしれない。ロイター通信が報道したように、グーグルはProject Araを中断した。このモジュラースマートフォンの開発計画は、お蔵入りとなるかもしれない。

【グーグルの必要なパーツのみを組み合わせて使うモジュラースマホ「Project Ara」とは?】

5月に行われた毎年恒例のI/Oカンファレンスで、グーグルのATAP(Advanced Technologies and Projects)研究所の約30人のスタッフによってAraが約1年以上の沈黙を破って大々的なリスタートすることが伝えられたことを考えると、今回の動きは奇妙に思える。しかし同時に、Araの停止は驚くことでもないのかもしれない。

▼ドゥーガンの告白

Project AraはDARPA(アメリカ国防高等研究計画局)の元ディレクター、レギーナ・ドゥーガンをリーダーに、モトローラ・モビリティのなかでスタートしたものだ。グーグルがモトローラを買収したときに、ドゥーガンはそのまま担当を引き継いだ。しかし今年春、グーグルのカンファレンスの少し前に、ドゥーガンはグーグルを辞めてフェイスブックに移籍している。

「新しくて、実現不可能だとされる製品をつくろうと努力しても、途中で大きな課題にぶつかります。技術的な面での課題や、組織的な面での課題です。チームを壊しうる課題です」。ドゥーガンはブログの投稿でAraやATAPで目の当たりにした困難について語っている。「ATAPを立ち上げたときは、このような仕事を希望していました。でもそれはとても怖いことです。なぜなら、ほかの人々に比べて大きな失敗をする恐怖を受け止め、立ち向かわなければならないからです」

ドゥーガンがATAPを辞めフェイスブックに転職した事実を考えれば、彼女の言葉の真意がわかるだろう。フェイスブックはグーグルよりもずっと小さい企業だ。そしてフェイスブックには、いまのところグーグルと同じような「組織面での課題」がない。

Araの死は、巨大組織に姿を変えたグーグルが、革新的な力を維持するのに苦労している証拠だ。大きい組織では、スピード感をもって既存の事業の合間に新しい仕事を始めるのは難しい。フェイスブックでドゥーガンは、「ビルディング8」というチームを運営している。そのチームはATAPによく似ているが、ATAPと違うのはフェイスブックはまだ組織的に小さく、スピード感をもった環境づくりができることである。

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最終更新:9/13(火) 11:33

WIRED.jp

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