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天才アタッカーの実像――久保建英とはいかなるプレーヤーなのか

SOCCER DIGEST Web 9/13(火) 17:11配信

単純なドリブル技術なら久保以上の選手は日本に何人もいるが……。

 いよいよFC東京でのトップチーム登録(2種登録)が秒読みとなった久保建英。ともすれば、“バルサ育ち”というイメージだけで語られてしまいがちだが、そのプレースタイルやパーソナリティはいかなるものか。小学生時代から彼の動向を追いかけてきたライターが分析する。
文:川端暁彦(フリーライター)
 
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 リオネル・メッシのようでいて、しかしメッシではない。
 
 アンドレス・イニエスタを想起させる瞬間もあるが、本質的にはやはりストライカーである。
 
「天才」という言葉で簡単に片づけられがちな選手だが、久保建英が少々変わった感覚の持ち主であることは間違いない。
 
 FIFAの決定によってバルセロナ退団を余儀なくされ、久保が日本へ帰って来てから1年半が過ぎた。
 
 帰国当初にプレーしたFC東京U-15むさしでは主に2シャドーの右に入ったが、当時からなにより目を惹いたのはボールを受ける動きの巧緻性だった。運動「量」という意味では、むしろ凡庸な部類に入ると思うが、相手2ライン(DFとMF)の間に瞬間的に落ちて受ける感覚は絶妙そのもの。誰より目立つ存在だっただけに、対戦相手も厳重に久保を監視するのだが、まさに「ひょいっ」という表現が相応しい最小限の動きから、前を向いてボールを受けるオフ・ザ・ボールの質は恐ろしく高かった。
 
ただ、こうした特長は小学生時代に観た時から備わっており、バルサで教え込まれたというよりは、元来持っている感覚なのだろう。
 
 そうして前を向いた状態から繰り出すドリブルは軽快で、鋭さもある。背筋を伸ばして視野を確保し、相手DFの対応を観察しながら緩急を織り交ぜて抜いていく。
 
 しかし、おそらく単純なドリブルのテクニックなら、久保以上の選手は日本に何人もいるだろう。ただ、彼のドリブルはコース取りがとにかく上手い。目の前の敵を抜くことに特化したドリブル(日本の中学生のドリブラーはこのタイプが多く、高いレベルになるとサイドでしか生きない)ではなく、スペースを見ながらのドリブルで、あっさりとボールを危険地帯まで運んでしまうのだ。
 
 見えているから、抜きにかかったあとでもパスの選択肢が残っている。それもまた、対峙するDFにとっては「怖さ」を感じる部分に違いない。
 

「中学生だよね?」市船指揮官も感嘆する久保建英の存在感。帰国後1年半の成果はどこに?

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最終更新:9/14(水) 12:14

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