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マン・C新守護神ブラーボはプレミアリーグに新たなGK像をもたらせるのか!?

SOCCER DIGEST Web 9/13(火) 18:17配信

著名人からも非難されたブラーボの失態。

「ドッジー(危なっかしい)・キーパー」。イングランド人はミスの多いGKをそう呼ぶ。
 
 その代表例は、1999年に移籍したマンチェスター・Uでのキャリアが僅か4試合で終わったマッシモ・タイービだ。
 
 オールド・トラフォードでのラストゲームで、屈んで捕りにいったグラウンダーのシュートが両手と両足の間をすり抜け、大きな話題を呼んだ。
 
 そのオールド・トラフォードで、去る9月10日にプレミア・デビューを果したマンチェスター・Cのクラウディオ・ブラーボも、早速ゴール裏の相手ファンから「ドッジー・キーパーッ!」と野次られる立場となった。
 
 マンチェスター・Uを蘇生させかけたハーフタイム前の失点は、『SKY SPORTS』解説者のグレアム・スーネスが「50mぐらい先から軌道が見えていたはずだ」と指摘したFKの捕球ミスが原因だった。
 
 同じ中継ブースでは、ティエリ・アンリが「ジョー・ハートはトリノで笑っているだろう」とコメント。国内には、定位置を失ってレンタル移籍した前守護神との実力差を疑問視する向きが少なくない。
 
 後半早々には、ブラーボはウェイン・ルーニーに両足タックルをかました。マンチェスター・UへのPKと自身の一発退場を免れた幸運は、ファウルの無謀さと同様に信じ難いものだった。
 

数字が示すペップのシティにおけるブラーボの存在意義。

 ただし、初戦後の反応は酷評の嵐というほどひどくはなく、賛否両論といった程度だった。マンチェスター・Cの勝利(2-1)という結果もあるが、ペップ・グアルディオラ新監督がハートには不向きと判断した、「スイーパー・キーパー」としての能力を示したからだ。
 
 ペナルティーエリア外も領分とする攻撃の起点としての存在意義は、総合的には10点満点中4点の低評価が目立った国内各紙も認めるところ。「56」を数えたボールタッチのうち15回がエリア外という数字は、プレミアに新手のGKが加わったことを示している。
 
 この日にブラーボが見せたロングキックやフィードに、特筆すべきパスがあったとは思えない。「GKとしては過去最高の部類に入るパフォーマンスを見せた」というグアルディオラによる評価は、いかに新戦力とはいえ褒め過ぎだろう。
 
 しかし、足下に自信を持つ者ならではのポジショニングは効いていた。GKがエリアの淵にいるチームの最終ラインは必然的に中盤寄りの高さを保ち、このプレミアで最も高いハイラインが、前半を圧倒したマンチェスター・C優勢の一因となっていた。
 
 もっとも、その流れを変えてしまったのもブラーボ自身。優勝候補同士のダービーに勝利したマンチェスター・Cに「最右翼」の呼び声が高まる一方で、その新守護神候補はチームの「弱点」に挙げられてしまっている。
 
 プレミア1年目に手にする定評は、果たして「スイーパー・キーパー第1号」か、はたまた「ドッジー・キーパー最新版」か? ひとまず、デビュー戦での姿が、ボックス内で砦を守る「ゴールキーパー」とは呼べない類いのものであったことは間違いない。
 
文:山中忍
 
【著者プロフィール】
山中忍/1966年生まれ、青山学院大学卒。94年渡欧。イングランドのサッカー文化に魅せられ、ライター&通訳・翻訳家として、プレミアリーグとイングランド代表から下部リーグとユースまで、本場のサッカーシーンを追う。西ロンドン在住で、ファンでもあるチェルシーの事情に明るい。
 

最終更新:9/13(火) 18:17

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