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映画『お父さんと伊藤さん』:藤 竜也に聞く"遊ぶように生きて、演じた役者人生"

ローリングストーン日本版 9/13(火) 19:10配信

男の色気を感じさせるアウトローな個性派俳優、藤竜也。近年は『龍三と七人の子分たち』でコメディに挑戦。新作『お父さんと伊藤さん』でもこれまでにない役を演じて新境地を拓いた藤に、自由に生きてきた役者人生について話を聞いた。
―『お父さんと伊藤さん』で藤さんが演じられたヒロインのお父さん役は、これまで藤さんがあまり演じてこなかったようなタイプの役ですね。堅物で小市民的で、これまでとは違った藤さんの姿を見て驚きました。



そうですか。嬉しいですね(笑)。

―今回はどんな風に役作りされたのですか?

原作にわりとキャラクターのディテールが描いてあって、それで助かりました。彼の故郷が長野だということがほのめかしてあったので、とりあえず長野に行ったんです。ものすごい山村に。なんでそこに行ったかというと、この人(お父さん)が東京へ出てくるまで、いったいどんな風景を見てたんだろうなとか、すごく興味があって。そういう風景を見ていると、この人が幼少期から青年期まで、どんな風に生きていたか段々浮かび上がってくるんですよね。彼は教員ですが、実際長野で次男、三男っていうのは教員が多いんです。家の農地とか山林を長男から分けて行ったら、どんどん小さくなっていく。だから次男、三男は別の職業につくんですが、長野の場合はそれが教員なんですよ。向こうでは、山村の小学校の昔の資料なんかも見せてもらったりしました。

―そこまで調査されるんですね。ほかの作品でも、演じる役の出身地まで出かけられるとか。

そう。なんかいいんですよ。映画には描かれていない時に彼(演じる役)が見たであろうものを、自分の目で見ることで彼が近しくなってくるんです。

―準備にしっかり時間をかけられるんですね。

まあ、そんなにしょっちゅう仕事をやってないから時間は余ってるしね(笑)。そういうことをやりながら、少しずつ(役に)近づいていくわけですよ。

―タナダユキ監督とは初顔合わせでしたが、いかがでした?

演出的にはものすごく繊細で、ちょっとした声音だとか表情とか、ものすごい細かなダメだしがあるんです。"もう少し、違う風にやってくれ"とか。僕はどうしてそういう風になるのかわからないけれども、それに応えることであの人の世界が出来て行くわけだから、その通りにやりました。あと、本(脚本)がとにかく面白かったですね。"これ、どうなるんだろう?"と。どうしようもないトラブルメーカーの父親に突然闖入された娘と、そのパートナーの戸惑いとかね。どう対処したらいいか。これ、ほんとに困ったシチュエーションだと思うんですよ。それをちょっとユーモラスに描きながら、なおかつ、いろんなことを考えさせられる。大上段に"考えろ"って言うんじゃなくて、自然に"家族ってなんだろうな?"ってね。答えが出る、出ないは別として、いろんなことを示唆してくれる物語だと思います。

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最終更新:9/13(火) 19:10

ローリングストーン日本版

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