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都政の闇をえぐり出し始めた小池知事

JBpress 9/13(火) 6:10配信

 もう半世紀も前のことだが、東京都庁が“伏魔殿”と呼ばれたことがあった。いまもその状況は変わっていないのだろうか。オリンピック、パラリンピックの招致をめぐるゴタゴタや知事の豪華海外出張、豊洲新市場をめぐる迷走、そこに「ドン」と呼ばれる都議までが登場する、この光景を見ているとそう思わざるを得ない。

■ 石原元知事の暴言は小池改革が怖かったから? 

 小池百合子知事が選挙に立候補した際、自公が推す増田寛也候補の応援に駆け付けた石原慎太郎元知事は、「大年増の厚化粧がいるんだな、これが。これはね、困ったもんでね」「そこに私の息子もいて苦労してるけど、都連の会合に1回も出てこずにね、『都連はブラックボックスだ』なんて聞いたようなこと言っちゃいけないんだよ」「とにかく岩手県で行政手腕を発揮した増田さんに任せないとね、やっぱり厚化粧の女に任せるわけにはいかないね、これは」などと暴言を吐いた。

 結果は、増田候補の応援どころか、妨害になっただけで、石原氏のみじめな老害ぶりをさらけ出しただけであった。

 そもそも「都議会のドン」なる人物の横暴を許してきたのは、石原氏であった。偉そうなことを言うが、ドンには、指一本触れることもできなかったということだ。桝添前知事の豪華海外出張が批判にさらされ、いま小池知事の下でこの究明がなされつつあるが、舛添氏に勝るとも劣らない海外出張を行ってきたのが石原元知事である。分かっているだけでも15回の海外出張に2億5000万円も使っていた。その他にも、湯水のように交際費を使っていた。

 都庁の役人も、舛添氏も、この石原氏の前例に倣っただけだったとも言える。小池知事には、石原都政時代まで遡って、妥当な海外出張であったのか、妥当な交際費の使い方であったのか、調査してもらいたいものだ。

 石原氏が作った新銀行東京も約1400億円もの都民の血税を注ぎ込んだが、大失敗に終わった。そして豊洲新市場である。豊洲への移転を決めたのは、石原都知事時代である。これこそが、今日の迷走の出発点であった。石原氏には小池氏を汚い低劣な言葉で批判する資格などない。

■ 論外と言うしかない盛り土の嘘

 それにしても東京都庁というのは、どうなっているのか。なぜ豊洲新市場が生鮮食料品を扱っても大丈夫なのか、その大前提となっていたのが4.5メートルの盛り土であり、その上の分厚いコンクリート床であったはずだ。しかし、その盛り土は行われておらず、床下は空洞になっていた。

 2008年7月28日に提出された「豊洲新市場予定地における土壌汚染対策等に関する専門家会議の報告書」は、「食の安心・安全という観点を考慮し、揮発ガス成分(ベンゼン、シアン化合物)が隙間や亀裂から建物内に侵入することによる生鮮食料品への影響を防止する観点から、さらに上乗せ的な安全策が行われること」が必要である、と指摘し、「(1)旧土壌面から2メートルまでの土壌を掘削し、入れ換え。(2)さらに上部に2.5メートルの盛り土」がなされ、「厚さ25~40センチのコンクリート床または厚さ30~40センチのアスファルトで覆われる計画である」としていた。

 そのうえで、「盛り土がきちんとなされていれば、地下水から揮発したベンゼンおよびシアン化合物を含む地上空気が人の健康や生鮮食料品に影響を及ぼす可能性は極めて低い」としていた。要するに、「上乗せ的な安全策」が必要不可欠だと指摘していたのである。

 この専門家会議の報告をまったく無視して「大丈夫だ」と言っても、なんの説得力もないことは明白である。仮に盛り土よりも空洞の方が設計として適していると言うのであれば、なぜ建物の建築前に堂々と「盛り土は必要ない」と説明し、公にしなかったのか。そのことを隠し、盛り土したかのように嘘までつくというのは、後ろめたさがあったからであろう。

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最終更新:9/13(火) 16:35

JBpress

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